1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580100
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 和利 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (00112277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 幹雄 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90038464)
川崎 晃一 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00038704)
冷川 昭子 九州大学, 健康科学センター, 講師 (70038917)
上園 慶子 九州大学, 健康科学センター, 講師 (00168618)
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20101470)
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Keywords | 身体的老化 / 重回帰分析 / 分散分析 / 情報量基準 / 生活行動要因 |
Research Abstract |
本年度はテストバッテリーの構成から老化指標の検討を行った。 一般的な体力テスト成績や医学検査指標を用いて、歴年齢を予測する線型重回帰方程式の作成を行った。その構成内容はパフォーマンステスト(背筋力、立位体前屈、握力、肺活量、閉眼片足立ち)、最大酸素摂取量、体脂肪率、安静時心拍、抗張期、収縮期の血圧であり、ステップワイズに変数を採択していくと、男女それぞれに有意な変数として、6種程度のものが採択された。 しかしその重相関係数は0.68程度の低いものであり、この原因について検討した結果、サンプルサイズやサンプルそのものに問題はなく、むしろ変数の構成に問題があることがわかった。即ち、年令変化は感覚機能でかなりの部分が説明できることが古川ほか(1976)でも指摘されており、また循環機能も同様であってこれらの変数群の拡充が必要となった。そのため、ある離島の住民(40才代から69才代)を対象に、感覚系変数の妥当性、信頼性を検討する作業を行った。だが、比較的小筋系の感覚機能に年令の影響がみられることが推察できた。 次年度以降は、パフォーマンステストも質問紙で行い得る可能性を検討できた。すなわち「からだのす速い動き」、「しなやかな動き」、「粘り強さ」「巧みな動き」というカテゴリーで、いくつかの組テストの妥当性を検証し、統計16項目程度からなるスタンツ系組テストを作成し、検討を始めたところである。 最後に制御要因は、日常の一般的な生活規範(規則正しく、時間や行動のバランスの良さなど)について検討した。このうち、運動不足や生活時間のアンバランスは、老化に強く関連していることを指摘できた。いずれも自己制御可能な要因が多く老化を自らコントロールすることの可能性は指摘できることになろう。
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