1988 Fiscal Year Annual Research Report
植物トランスポゾンによる遺伝的組み換えとその制御に関する研究
Project/Area Number |
63580200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大坪 久子 東京大学, 応用微生物研究所 (20158801)
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Keywords | トランスポゾン / 遺伝的組み換え / 遺伝子導入 / イネ染色体上反復配列 |
Research Abstract |
1.外来遺伝子導入のための植物トランスポゾンの作成:外来遺伝子を有効に植物細胞内に導入するためのベクターとして,Z.maysの非自律性転移因子Dsの両端の逆位反復配列とその近傍を含む70塩基対を化学合成し,これをもとにしてMiniDs因子を作成した。このミニDs因子およびその自律性因子であるAe因子を,それぞれ別個にBinary VeetorpBIN19にクローン化した。来年度は,これらをそれぞれタバコおよびペチュニアに導入し,組み換え植物体を得たのち,Ac因子をもった植物とDsをもった植物を交配することによって,Aeの存在下,この合成ミニDs因子が転移することを検証する。 2.イネ染色体上の反復配列の解析:イネ染色体DNAをEOORIKpnI,Sau3AI等で切断したところ,それぞれ0.36kb,0.5Kbおよび0.3Kbの濃いバンドを確認した。これらをpuc19にクローン化したのち,それぞれの塩基配列を決定し,併せてこれらの反復配列のコピー数および染色体上での存在様式をサザンブロット法で検定した。これらの反復配列の内,ECoRI切断によって得られた配列は,単位長358塩基対の反復配列で,イネカルス染色体上に2800〜2900コピー/ハプロイド,イネ植物体染色体上には,品種によっても異なるが多いものでは,〜コピーも存在する。この配列は染色体上に直列列になちんだ配列(tandm repeat)である。現在,in situ雑種形成法により,どの染色体上に存在するかを解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大坪 久子: Jpn.J.Genet. 61. 75-100 (1988)
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[Publications] C.Miyazaki.: J.Mol.Biol. 204. 331-343 (1988)
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[Publications] S.Tsuchimoto: J.Bacteriol. 170. 1461-1466 (1988)