1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63602008
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 秀徳 東京大学, 農学部, 教授 (50011870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 芳治 東京大学, 農学部, 教授 (60011863)
依田 恭二 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80046937)
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30107453)
古賀 隆治 岡山大学, 工学部, 教授 (20027147)
巻出 義紘 東京大学, 理学部, 助教授 (40011746)
|
Keywords | メタン / 亜酸化窒素 / 低級炭化水素 / 水田 / ため池 / 海底堆積物 / 水稲根圏 / 脱窒 / 硝酸還元 / 温室効果 / 安定同位体 / 脱窒菌 |
Research Abstract |
亜酸化窒素とメタンの大気中濃度が近年増加の一途を辿っており、これが気象に及ぼす影響が憂慮されている。これら両物質は陸域と水域の生体系内で作られ、大気に送られると考えられていたが、その主要な発生源については確認されておらず、対策の建てようもなかった。本研究班は、このような事態を打開し、亜酸化窒素とメタンの発生両を制御する為の基礎的知見を得ることを目的としている。 本研究班の核分担者は研究計画に沿って研究を進め以下の成果を得た。 1.大気中の亜酸化窒素濃度とメタン濃度を実時間同時測定できる方法の開発を目指して、鉛半導体レーザーを光源とする、新しい装置を作製中である。(古賀隆治) 2.メタンの発生に伴って微量生じるエタン、エチレンなどの低級炭化水素を超高感度に測定できる装置を開発中である。これによって、メタンの発生源を求め易くなると期待される。(巻出義紘) 3.海底堆積物の各微小層位毎に間隙水を採取する方法を確立し、この方法を用いて調査した結果、海底堆積物中で脱窒が進行し、そこで生成した亜酸化窒素が海水中に移行していることが確かめられた。(小池勲夫) 4.ため池を対象として、野外でメタンの発生量を測定する装置を開発した。今後この方法を用いて、多くの場所でメタンの発生量を調べる予定である。(依田恭二) 5.水稲根圏でメタンが生成するか否かを検討し、水稲根から供給される有機物を利用して、水稲根面で分子状水素が作られ、根圏土壌中でメタンが生成することが確認された。(和田秀徳) 6.新たに単離した、無酸素・硝酸存在下で、脱窒をしながら芳香族化合物を分解できる微生物が、亜酸化窒素を生成する機構を明らかにした。(丸山芳治) 7.メタンの炭素原子の同位体比が発生源によって異なる事実に基づいて、メタンの発生源を推定できることを示した。(和田英太郎)
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 和田秀徳: 環境科学会誌in process.2. (1989)
-
[Publications] 丸山芳治: J.Bact.170. 2501-2505 (1988)
-
[Publications] 丸山芳治: J.Bact.170. 5778-5784 (1988)