1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63840023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 俊夫 東京大学, 海洋研究所, 教務職員 (30107461)
藤岡 換太郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20107452)
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Keywords | 深海カメラ / ビデオシステム / 精密海底高度計 / 深海底研究 |
Research Abstract |
大深度の海底に関しては、今までもスチールカメラでの撮影は何度か行われてきたが、既存のピンガーでは、音響信号を使用し長距離を伝達させるため、ノイズの影響や信号認識に時間遅れが生じて、うまくカメラと海底の高度が保てないため、連続的に写真撮影することが困難であった。そこで音響信号のみに頼らず、常に安定した高度測定を行える機器の開発を行った。この深海カメラ用精密高度計は、東京大学海洋研究所が設計開発、(株)OVSが製作を担当し、白鳳丸KH88ー5研究航海においてテストを行った。高度計の特徴は、音響発振部に高周波の振動子を使用し、これからの発信信号と海底から反射してきた信号を同じ振動子で受信し、波形整形したのち、CTD用ケーブルを通じて、船上のモニターにリアルタイムで高度を表示するものである。テストの結果は、高周波を用いたことにより、海底の表面を底質によらず、シャープにとらえることが可能となった。またカメラ曳航体から直接発信するため、崖のような地形の変化の激しい傾斜地でも追従できる。さらに、ケーブルを通じて電気信号として運ばれるため、時間の遅延も、ノイズもほとんどなくなった。テストの結果、本研究により開発した精密高度計は、十分な性能をもっていることが証明された。さらに、本研究では、精度高度計をとりつけた場合の曳航体全体のスペース配分とバランスおよびカメラと光源との光学上の配置についての研究とテストも行った。深海ビデオ・カメラシステムでは、低照度の環境にも対応できるように、高性能の撮像管を採用しているが、金属フレームが画面の一部に入ってしまうとハレーションを起こして撮影ができなくなる。淡青丸KT88-18の研究航海ではこの点についてテストし、カメラより照明の位置が重要なことがわかり、鮮明な映像が得られるように調整することができた。本研究の成果は、これからの深海底研究に寄与するであろう。
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