1989 Fiscal Year Annual Research Report
「繊維強化複合材料の空気圧式高速衝撃試験機の試作」
Project/Area Number |
63850023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 浩之 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 忠晴 東京工業大学, 工学部, 助手 (20184187)
笠野 英秋 拓殖大学, 工学部, 助教授 (40016663)
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80016675)
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Keywords | 空気圧式衝撃試験機 / 繊維強化複合材料 / 高エネルギ-衝撃 / 衝撃吸収性評価 / 貫通破壊 / 速度計測装置 / 高速度カメラ |
Research Abstract |
本研究は高速の飛翔体が衝突し貫通をともなう場合のような衝撃負荷をうける繊維強化複合材料の貫通抵抗や衝撃吸収性の評価のための衝撃試験機を試作し、これを用いて複合材料の衝撃試験法を確立することを目的としている。 本研究費により製作されている衝撃試験機に本年度新たに速度計測装置を取り付けた。発射速度は衝突体が発射孔において200mmの間隔で設置されている2つのHe-Neレ-ザ光を横切る時間間隔より測定される。これにより試験機の空気圧の限界で得られる飛翔体の速度を十分正確に計測できる。また試験片を貫通した後の飛翔体の速度および外部からの試験片の破壊現象の観察は高速度カメラにて撮影される連続写真により行われる。高速度カメラは225コマで最高35000コマ/sの速度で撮影することができる。 炭素繊維/エポキシ強化積層板および炭素繊維/PEEK強化積層板に直径10mmの鋼球を最高220m/sの速度で衝突させた。さまざまな繊維配向の積層板の貫通破壊時の積層板のエネルギ-吸収量を計測し、貫通限界曲線を作成した。吸収エネルギ-は衝突の前後における鋼球の運動エネルギ-の差から算出した。同一の繊維配向であれば積層板の厚さに吸収エネルギ-量がほぼ比例することがわかった。また炭素繊維/エポキシ積層板では衝撃速度が増加するにつれ吸収エネルギ-量が減少し、層間剥離の面積も減少した。しかし炭素繊維/PEEK積層板では実験を行った衝撃速度範囲で逆に吸収エネルギ-が増加する傾向があった。また貫通後の積層板の衝撃面裏側は衝撃速度が増加するにつれてひし形から帯状に剥がれる傾向がある。このため衝撃面裏側に織物のプリプレグを積層した積層板を用いれば裏側の損傷域が貫通孔近傍付近にのみに限定されることが明らかになった。
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