1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 剛二 株式会社不二越, 技術開発本部, 主幹
杉村 延広 神戸大学, 工学部, 助教授 (80135813)
岩田 一明 神戸大学, 工学部, 教授 (30031066)
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Keywords | 超精密切削加工機 / 微小切込み装置 / インテリジェント制御 / 圧電素子 / 運動誤差 / 熱変形 |
Research Abstract |
本研究は、超精密切削加工機の高度化を実現するためのインテリジェントな超精密切削制御装置の試作開発を行い、その実用化のための検討を行うことを目的としている。本年度得られた主な研究成果は、以下のとおりである。 1.装置ハードウェアの基本設計と試作・開発 インテリジェント超精密切削制御装置本体ハードウェアの試作・開発を行った。本体はスーパーインバー製の一体構造とし、4枚の板バネ構造を採用した一軸方向の切込み装置で、特に高い剛性(約500N/μm)を持たせている。駆動要素としては、粗動と徴動の2種類の圧電素子を用い、16ビットパーソナルコンピュータによるディジタル・デュアルサーボ方式による制御方法を採用している。 2.基本制御アルゴリズムの開発 切込み装置の位置制御を行うための基本的なアルゴリズムを開発すると共に、より高度の制御として、工作機械固有の運動誤差、主軸系の熱変形による誤差を補正するためのシミュレーション技術、主軸の回転誤差を測定し、1回転先の誤差を予測するための時系列予測法などの検討を行い、それらの有効性を確認した。 3.試作した装置の基本特性の解析と評価 試作した装置について、剛性、応答性、位置決め精度などの基本的な特性について検討を行った。その結果、本装置は全体のストローク約7μmに対して、1nmの分解能を有し、極めて安定して精密位置決めを行い得ることを確認した。また十分高い剛性を有しているとともに、応答性に関してはディジタルPID制御方式を導入することにより改善し得ること、2組の圧電素子駆動要素はそれぞれ所期の特性を発揮していることなどを確認した。
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