1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 剛二 株式会社不二越, 技術開発本部, 主幹
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助手 (20216146)
杉村 延広 神戸大学, 工学部, 助教授 (80135813)
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Keywords | 超精密工作機械 / 超精密切込み装置 / インテリジェント制御 / 熱変形制御 / 誤差補正 / ダイヤモンド切削 |
Research Abstract |
平成元年度においては、前年度の研究成果をふまえ、順調に研究を進めることができた。本年度得られた研究成果をまとめると、以下のとおりである。 1.試作開発したインテリジェント切削制御装置による切削実験と加工性能の評価 試作装置を用いて、実際に各種軟質金属および一部ステンレス鋼の超精密切削を行ない、装置の性能について検討した。その結果、例えば無酸素銅の切削においては、装置の振動は振幅2〜3nm程度で押さえられており、正弦波状入力、ステップ入力などの切込み制御入力に対しても忠実に応答しながら切削し得ることを確認した。 2.試作開発したシステムの総合的な特性評価 試作装置の特性を総合的に解析、評価し、初期の性能を有していることを確認した。具体的には、切込み装置のストロ-ク10μmに対し、約1nmの分解能を有すること、構造共振が1kHz以上と、すぐれた動特性を有すること、切込み方向の剛性700N/μm以上と、高い剛性を有すること、熱的にも優れた安定性を有すること、ユ-ザインタ-フェイスに配慮した使いやすいシステムとなっていること、など確認した。 3.実用化にむけての試作開発装置の再点検と問題点の抽出、改良などの検討。 装置の実用化という観点から、試作装置の検討を行なった。その結果開発した装置は充分実用に耐え得るとの結論が得られたものの、現状では分解能1nmは不要であり、むしろ分解能をおとしてもストロ-クを大きくすべきであろう、といった改良点などが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toshimichi MORIWAKI: "Thermal Deformation and its On-Line Compensation of Hydrostatically Supported Precision Spindle" Annals of the CIRP. 37-1. 393-396 (1988)
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[Publications] Toshimichi MORIWAKA,Shigeyuki TATEIWA,Toshiaki KAGAWA: "Development of Micro Tool Positioning System for Precision Machining" Proceedings of International Conference on Advanced Mechatronics,JSME. 147-152 (1989)
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[Publications] 森脇俊道,立岩重幸,香川敏章,伊庭剛二: "インテリジェント超精密微小切込み装置の開発(第3報)時系列解析を応用した主軸変異の誤差補正" 1989年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. 755-756 (1989)
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[Publications] 森脇俊道,堀内明: "圧電素子を用いた超精密微小工具位置決め装置の開発" システム制御情報学会、第2回インテリジェントFAシンポジウム講演論文集. 93-96 (1989)
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[Publications] 森脇俊道,堀内明,西内元信,奥田孝一: "超精密ダイヤモンド切削における工具の熱変形と加工形状誤差" 1989年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 133-134 (1989)
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[Publications] 森脇俊道,堀内明,西内元信,桂川仁司: "超精密ダイヤモンド切削における切削熱が加工誤差に及ぼす影響" 1990年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (1990)
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[Publications] 伊東誼,森脇俊道: "工作機械工学" コロナ社, 218 (1989)