1989 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュ-タグラフィックスを用いた建築構造解析シミュレ-ションプログラムの開発
Project/Area Number |
63850127
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 章 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (90158684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緑川 光正 建設省建築研究所, 国際地震工学部, 第2耐震工学室長
岡田 久志 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (10111650)
赤木 久真 日本電信電話(株), 建築部, 主管研究員
市橋 重勝 (株)構造計画研究所, 研究開発部, 研究開発担当
須藤 福三 東京電機大学, 工学部, 教授 (30120116)
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Keywords | コンピュ-タグラフィックス / 建築構造解析シミュレ-ション / グラデ-ション / 非線形問題 |
Research Abstract |
平成元年度の研究計画の各項目に従い、研究実績の概要を述べる。 1.鉄筋コンクリ-ト平面骨組構造物の弾塑性解析による応力分布図・変形図をカラ-グラフィック表示することを可能にした。本システムによると任意の変形状態における任意の部分の応力状態を瞬時に表示することができ、変形増大に伴う塑性域の拡大の様子、力の再配分の様子、力の流れの様子が非常に把握しやすくなった。 2.個々の部材の座屈を考慮した大スパントラス構造物の地震応答解析による、応力分布、変形状態をカラ-グラフィック表示するシステムの開発を行った。このシステムによると、大スパントラス構造物の動的挙動に対し、任意の時刻における応力分布・変形状態を表示できる。多部材・多自由度の大スパントラス構造物の挙動は複雑なモ-ドを示すが、このような状態における応力状態・変形モ-ドを把握するためには、カラ-グラフィック表示による可視化が非常に有効であった。また、こま撮りによりトラスの動的挙動をアニメ-ション表示したが、時々刻々挙動の流れを把握することに対して有効であった。 3.静的解析として4層1スパン、4層3スパンおよび15700自由度の4層7スパン鉄筋コンクリ-ト平面骨組構造物を、動的解析としてスパン200m、3360部材からなるトラス構造物を例題として扱った。 4.板の座屈・振動に関しては行っていないが、有限要素法によりボルト・ナットの解析を行い、応力分布・変形状態をカラ-グラフィック表示し、力の流れ、変形の様子を把握しやすくした。 5.本プログラムはUNIX系、VOSー3系に導入済であり、他のシステムへの導入も簡単にできるものである。 6.各解析プログラムおよびグラフィック表示プログラムに対し、わかりやすいマニュアルを作成した。
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[Publications] 久保田英之: "崩壊問題の動的解析法 材料および幾何学的非線形を考慮した鋼構造骨組の動的崩壊解析その1" 日本建築学会構造系論文報告集. 403. 97-104 (1989)
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[Publications] 坂田弘安: "多層多スパン鉄筋コンクリ-ト平面骨組模型の弾塑性解析" 第12回情報・システム・利用・技術シンポジウム. 331-336 (1989)
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[Publications] 坂田弘安: "多層多スパン鉄筋コンクリ-ト平面骨組模型の解析 曲げ降伏する梁の軸方向伸びを考慮した鉄筋コンクリ-ト平面骨組の弾塑性性状に関する研究(第2報)" 日本建築学会構造系論文報告集. 407. 35-46 (1990)
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[Publications] 岩田衛: "システムトラスに用いるボルトの疲労特性に関する研究" 日本建築学会構造系論文報告集. (1980)
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[Publications] 和田章: "ヒュウマンエラ-が複層立体トラス構造の力学的性質に与える影響に関する研究" 日本建築学会構造系論文報告集. 410. (1990)
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[Publications] 和田章: "一方向大スパン複層円筒トラス構造物の地震応答解析" 日本建築学会構造系論文報告集. (1990)