1988 Fiscal Year Annual Research Report
地下空洞および長大斜面安定解析のための新しい底面摩擦模型装置の開発
Project/Area Number |
63850138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江崎 哲郎 九州大学, 工学部, 助教授 (40038609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 強 九州大学, 工学部, 助手 (30161566)
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Keywords | 模型実験 / 地下空間 / 斜面安定 / 画像解析 / 大深度地下 / 地下利用 |
Research Abstract |
1.新しい底面摩擦模型装置を考案設計して完成させた。この装置は従来の同装置に比べて、地下深部の模型実験にも有効である。(1)頭初は深部の応力条件設定のため空気圧を高めることを検討したが、詳細な検討の結果、むしろ摩擦力の低減が適切であるという結論に達し、摩擦板の摩擦係数低減を行った。(2)剛性を高めるためにフレームを本体と一体化した構造とした。摩擦力の計測はロードセルで直接に計測するが、一体化によって正しい値が得られるようになった。(3)来年度購入予定の外力載荷装置の取付けによって装置は大深度に本格的に適用できるものとなる。(4)この実験に用いる新しい材料の選定を行ない見通しを得た。2.底面摩擦模型実験結果の記録、データ処理、解析を行なうための画像解析装置を完成させた。(1)この装置は画像入力のためのビデオフロッピーシステムとスーパーインポーズ装置のついたパソコンシステムからなる解析部から構成される。(2)計測精度を高めるために分割した画面に記録し、処理時は画面を合成する。(3)変位解析機能は後処理としてベクトル表示、等高線図表示が可能であり、教値解析結果と同一条件で対比できるようになった。(4)変位解析機能に加えて、亀裂解析、剛体解析、局部変形解析の諸機能を有しており、不連続な岩盤の変形、破壊の挙動が効率よく、精度よく解析できるようになり、定量的な模型解析手段が確立した。(5)剛体解析機能は、多角形によって不連続面で囲まれた岩盤ブロックを指定し、その剛体運動を記録、解析するもので、斜面や空洞天盤の崩壊などの不連続岩盤の剛体運動の解析に極めて有効である。3.これらの試作した装置を用いていくつかの基礎的実験を行なった。その結果(1)従来の装置と比べて非常に安定した実験結果が得られる。(2)実験データの整理が格段に効率的になり、主観が入る余地が少なくなった。(3)デモンストレーション的であった模型実験が真に定量的になった。
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