1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850151
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Research Institution | Institute of Industrial Science, University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 禎一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20013112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 諄二 東京大学, 工学部, 教授 (00010801)
小林 正典 高エネルギー物理学研究所, 教授 (80011112)
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60011219)
藤田 大介 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00190041)
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Keywords | 極高真空 / 気体放出 / 昇温脱離 / 吸着脱離 / 表面改質 / ステンレス鋼 / 表面処理 |
Research Abstract |
極高真空発生のための技術開発の基礎研究として進められた。到達真空度はポンプの性能と材料のガス放出によって決まるが、本研究ではポンプの具体的内容には言及せず、ポンプ構成材を含めた材料のガス放出の機構・評価・制御について扱っている。特にガス放出の定量とメカニズムの解明のために2種類の手法(昇温脱離TDS法とスル-プット法)を用い、またガス放出低減化のための手法も検討して以下の成果を得た。 (1)ガス放出機構を調べるためのTDS法の手法・装置試作・開発 ガス放出の機構を基礎的に調べる目的でTDS法を採用した。放出機構評価のためのパラメ-タ-である吸着分子の脱離の活性化エネルギ-、脱離の反応機構、拡散放出の場合の拡散係数などの信頼できる情報を得るために歪のないスぺクトルを測定する最適条件、加熱方式を検討した。この考察に基づき、更に表面評価機能(低速電子回折/オ-ジエ電子分光・光学系)を加えたTDS測定装置を試作した。 (2)ガス放出量評価のためのスル-プット法測定装置試作と測定 スル-プット法を原理とするガス放出速度測定装置を試作し、それを用いて各種表面処理(電解複合研磨、バフ研磨、TiN被覆)を施したステンレス鋼製真空容器から放出されるガス放出速度を測定した。表面平滑化効果とそのベ-キング後の消失、電解複合研磨処理試料の大気暴露後の分圧(H_2O、H_2、CO、CO_2)測定による新しい知見、温度変動に追随する脱離挙動などの機構解明にもつながる情報・知見が得られた。 (3)表面改質 ガス放出特性を向上させるための表面及び表層の改質方法について考察し、表面析出法(BNおよびグラファイト)によって低ガス放出材料が得られる可能性があることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤田大介ほか1名: "Characterization and thermal desorption spectroscopy study and new,low outgassing material surface for improved ultrahigh vacuum uses" J.Vac.Sci.Technol.A6. 230-234 (1988)
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[Publications] 藤田大介ほか3名: "TiN薄膜の昇温脱離特性" 真空. 31. 525-528 (1988)
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[Publications] 藤田大介ほか4名: "表面析出BNのガス放出" 真空. 32. 131-135 (1989)
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[Publications] 藤田大介ほか1名: "A new model of surface precipitation of boron nitride on an austenitic stainless steel and its outgassing nature" Thin Solid Films. 181. 267-276 (1989)
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[Publications] 後藤克己ほか2名: "極高真空用材料評価のためのガス放出速度測定" 生産研究. 42. 129-131 (1990)
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[Publications] 福井二郎ほか2名: "C固溶Ni表面における昇温脱離特性" 生産研究. 42. 137-140 (1990)