1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850163
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島田 昌彦 東北大学, 工学部, 教授 (80029701)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 次雄 東北大学, 工学部, 助教授 (90091694)
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 助教授 (30176797)
|
Keywords | 正方晶ジルコニア多結晶体 / ジルコニア基複合体 / 相転移強化機構 / 熱応力破壊 / 耐熱衝撃性 / 対流伝熱機構 |
Research Abstract |
イットリア固溶正方晶ジルコニア多結晶体(Y-TZP)、セリア固溶正方晶ジルコニア多結晶体(Ce-TZP)、Y-TZPにAl_2O_3、SiC粒子、SiCウイスカ-、Si_3N_4粒子を均一分散した複合体を常圧雰囲気焼結および焼結体の熱間静水圧加圧(HIP)処理により作成し、それらの焼結性、機械的性質について調べるとともに、水中急冷法により耐熱衝撃性について検討した。Y-TZP、Y-TZP/Al_2O_3複合体とCe-TZPではHIP処理によってほぼ理論的密度をもつ焼結体が作成できたが、SiC粒子、SiCウィスカ-およびSi_3N_4粒子をY-TZPマトリックスに分散した複合体では、分散量が5体積パ-セント以上になるとHIP処理でも理論密度の95〜98パ-セントの相対密度をもつ複合焼結体となり、焼結性は粒界異種物質の存在で低下した。特にSiCウィスカ-分散複合体では、ち密化は困難であった。ウィスカ-強化焼結体を雰囲気焼結法でち密化するための焼結反応の改善が今後の課題となった。YーTZP、Y-TZP/Al_2O_3複合体、Ce-TZPと一緒にMg-TZP、Al_2O_3、Si_3N_4SiC焼結体についても水中急冷法による熱応力破壊の破壊機構について研究し、熱応力破壊は沸とう対流伝熱機構によることを明らかにした。使用したセラミックス中で、Y-TZPとY-TZP/Al_2O_3複合体のみが破壊強度より算出した耐熱衝撃性を示さない理由を解明するために、熱応力と荷重応力で生成した焼結体中のキ裂近傍での微小ラマン分光分析を行った。その結果、熱応力で生成したキ裂近傍には応力誘起相転移で生じた単斜晶相が存在しないことが判明した。すなわち、熱応力破壊には相転移強化機構が寄与せず、低い耐熱衝撃性を有するものと考えられる。正方晶から単斜晶への応力誘起相転移は正方晶粒子の安定性によるため、正方晶粒子の大きさを0.4〜3.0ミクロンに制御したY-TZP焼結体を作成し、熱応力によっても相転移強度化機構の起こる高強度・耐熱衝撃性セラミックスの材料設計を考える。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masayuki Ishitsuka,Tsugio Sato,Tadashi Endo,Masahiko Shimada,Haruo Arashi: "Raman microprobe spectroscopic studies on thermal shock fracture of ZrO_2-based ceramics" Journal of Materials Science Letters. 8. 638-640 (1989)
-
[Publications] Masayuki Ishitsuka,Tsugio Sato,Tadashi Endo,Masahiko Shimada: "Thermal shock fracture behaviour of ZrO_2 based ceramics" Journal of Materials Science. 24. 4057-4061 (1989)