1989 Fiscal Year Annual Research Report
パイロジェン(病原性物質)計測用ピエゾ免疫センサ-の開発
Project/Area Number |
63850169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 宏 セイコー電子工業(株), 研究開発本部, 研究員
早出 広司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10187883)
民谷 栄一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60179893)
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Keywords | ピエゾ素子 / 粘度測定 / パイロジェン / エンドトキシン / カブトガニ血球抽出物 / ゲル化反応 / バイオセンサ- / 免疫センサ- |
Research Abstract |
昨年度は、ピエゾ素子の溶液中での使用条件の検討を行い,溶液の粘性がピエゾ素子等価回路の各成分と密接に関係していることを見い出した。そこで本年度は粘度測定デバイスとしてのピエゾ素子の特性を利用して、パイロジェンの一種であるエンドトキシン測定へ実際に応用した。この方法は、カブトガニ血球抽出物とエンドトキシンがゲル化反応を起こすことを利用したものである。水晶振動子の抵抗R_1および共振周波数ともに、カブトガニ血球抽出物のエンドトトキシンによるゲル化反応をモニタ-できることが示された。ゲル化時間の測定は、測定デ-タから得た多項式近似式において、R_1または共振周波数の最大変化量の90%を示す時間を用いたところ、従来法による結果とよい一致を示し、検出限界は、1pg・ml^<-1>であることが示された。得られた多項式をさらに微分し、変化速度が、最大値からその10%に低下した時間をゲル化時間として求めたところ、同様に、従来法の結果とよく一致した。エンドトキシン濃度の測定の指標として、R_1の最大変化速度を用いたところ、検出限界は、1pg・ml^<>-1であり、エンドトキシン濃度測定に使用可能であることがわかった。また、この最大変化速度は、40分以内に現れるため、低濃度試料では、大幅な測定時間の短縮が可能であることが示された。ゲル化反応前後のR_1および共振周波数の変化量とエンドトキシン濃度は直線的な変化を示すことが明らかとなり、濃度測定へ応用可能であるとともにこの変化に反応過程で生成した物質の吸着も関与していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Muramatsu,H.,Tamiya,E.Karube,I.: "Computation of Equivalent Circuit Parameters of Quartz crystal in Contact with Liquids and Study Liquid Properties" Analytical Chemistry. 60. 2142-2146 (1988)
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[Publications] Muramatsu,H.,Tamiya,E.Suzuki,M.,Karube,I.: "Viscosity Monitoring with a Piezoelectric Quarts Crystal and Its Application to Determination of Endotoxin by Gelation of Limulus Amebocyte Lysate" Analytica Chimica Acta. 215. 91-98 (1988)
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[Publications] Muramatsu,H.,Tamiya,E.Karube,I.: "Piezoelectric Crystal Viscosity Sensor:Application to Endotoxin Determination" Proc.of the MRS International Meeting on Advanced Materialse. 14. 221-228 (1989)
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[Publications] Muramatsu,H.,Tamiya,E.Suzuki,M.,Karube,I.: "A Quarts Crystal Geletion Deterctor for Determination of Fibrinogen Concentration" Analytica Chimica Acta. 217. 321-326 (1989)
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[Publications] 村松宏: "圧電素子を用いるバイオセンシング" 遺伝. 43(1). 25-29 (1989)
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[Publications] 村松宏,軽部征夫: "パイロジェン計測用装置について(エンドトキシン計測機器開発の現状)" PHARM TECH JAPAN. 6. 29-34 (1990)
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[Publications] Isao Karube(分担執筆): "BIOTEC2:Biosesors and Environmental Biotechnology" Gustav Fischer,Stuttgart, 160 (1988)
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[Publications] I.Karube and E.Tamiya(分担執筆): "Frontiers in Bioprocessing" CRC Press,Inc.,Florida, 456 (1990)