1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
今田 清久 宮崎大学, 工学部, 教授 (00037748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幸男 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90148916)
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Keywords | 核酸合成 / 多孔質ガラス |
Research Abstract |
多孔質ガラスのいわゆるMerrifield法に用いる担体に必要とされる細孔径、表面置換基密度、置換基のいわゆるスペーサー密度、およびガラス骨格の化学組成などの特性を明らかにした。とくに核酸合成の場合について検討を加えた。SPG型多孔体、CPG型多孔体について検討した。これらの多孔体およびこれを酸洗いしたものなどについて元素分析を行いアルミニウムの含有量の変化を確認した。乾熱脱水処理については圧縮して成型した薄い錠剤を透過させて赤外線吸収スペクトルを観測し表面状態の変化を調べた。カール・フィッシャー水分計により水分脱離曲線の測定を行った。アミノアルキルシランを用い多孔質ガラスの表面化学修飾を行った。このような処理物についてアミノ基密度のピクリン酸定量法を確立した。これはB.F.Gisinがポリスチレン担体についてこころみた方法を多孔質ガラス上のアルキルアミノ基の定量に応用したものである。このような定量法は、核酸を合成する場合の反応場所の密度や均一性を確認するために是非とも必要なものである。アミノ化多孔質ガラスよりヌクレオシド化多孔質ガラスを製造した。ヌクレオシド量の測定は常法により過塩素酸水溶液によりDMTr基を脱離させ、その吸収から濃度を測定した。シラノール基密度は乾燥空気の流通下で600℃以上850℃までに多孔体重量の0.2〜1.0%の水の脱離が認められ、これを多孔体の表面積で割ってみると、単位表面積当たり2〜4μmol・m^<-2>の値を得る。多孔質ガラスの表面に結合したアルキルアミノ基の量はほぼ2.2μmol・m^<-2>である。ガラス上のヌクレオシドの密度は、約1.1μmol・m^<-2>である。先に測定したアミノ基の密度と同じオーダーの値であるが、これよりやや少ない。ヌクレオシド化多孔質ガラスを用い重合度が15から50までの核酸を合成した。試作した担体の中には現在一般に使用されているものより性能がかなり良いものもある。次年度にはこのことを更に研究する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 今田清久,林幸男,中島忠夫,村上昭弘: 日本化学会誌.
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[Publications] 今田清久,坂上勝伺,堤信夫: 第11回SPG応用技術研究会・研究発表要旨集. 13-16 (1988)
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[Publications] 今田清久,中島忠夫: 第11回機能材料と利用に関するフォーラム講演予稿. 8-11 (1988)
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[Publications] 今田清久: ガラス表面研究会討論会資料. 22-25 (1989)
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[Publications] S.Hayashi;et al.: Current Microbiology.
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[Publications] 今田清久,占部正義: "高分子化学" 裳華房, 1-167 (1988)