1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850186
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
今田 清久 宮崎大学, 工学部, 教授 (00037748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幸男 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90148916)
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Keywords | DNA合成 / ガラス多孔体 / ガラス担体 |
Research Abstract |
(1)昨年度の多孔質ガラス表面構造に関する測定結果を解析し、乾熱脱水したガラスの表面には孤立したシラノ-ル基(-OH)が一平方メ-トル当り6〜9μmolあるものと推定した。この値はホウケイ酸ガラス、シリカゲル、及び我々のアルミニウムを含むSPG型の多孔質ガラスについていずれも同じであり、普遍性のあるパラメ-タ-と思われる。これはケイ素のまわりの酸素の立体化学的な条件と一致するものであろう。これにシランカップリング剤を作用させると、トリメトキシシラン等においてはその約1/3即ち2〜4μmol.m^<-2>のカップリング剤が結合する。定量的な結合ということが出来る。これ以上の、見掛け上のシラン化は、電子顕微鏡などでも確認出来るように過剰な塊状付着といえる。(以上日化誌) (2)アミノプロピル化多孔質ガラスにヌクレオシドを結合させ、この上で核酸の合成を行った。ガラス表面の反応点としてのアミノ基の密度が小さいと、反応の効率は向上する。これを核酸合成試薬の大過剰という化学量論的な効果とそれ以外の(おそらくは立体化学的な)効果に分離すると、大部分が立体化学的なものであるが、傾向としてその他のものも認められる。また(1)で過剰に付着したカップリング剤のアミノ基を利用した核酸の合成を行ったが、合成の効率は5〜15マ-に達する間に急に低下する。ガラス表面に規則正しく存在する孤立シラノ-ル基より、更にやや疎な反応点上で合成を行うのが最適であると判断した。 (3)DNA合成とは別に、土壤より分離したバシルス属菌からセルロ-ス分解酵素の遺伝子を大腸菌にクロ-ン化した。この遺伝子はセルラ-ゼの構造を解明する方向で検討するが、バシルス属等のセルラ-ゼ遺伝子には、共通のシグナルペプチド部分が存在するという推定をしているので、このことの検証に、我々の担体で合成したDNAプロ-ブを試用する。他に、多孔質ガラス上へのヘパリンの固定化にも成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 今田清久,坂上勝伺,川端裕人,堤信夫,中島忠夫,信原一敬: "多孔質ガラスの表面状態とその化学修飾" 日本化学会誌. 1990. (1990)
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[Publications] 今田清久,志摩健介,草野一仁,中島忠夫: "多孔質ガラスの表面状態と細孔内表面の化学修飾" SPG研究論文集(SPG応用技術研究会). 100-106 (1989)
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[Publications] 今田清久,志摩健介,草野一仁,中島忠夫,堤信夫: "多孔質ガラス支持体による核酸の合成" SPG研究論文集(SPG応用技術研究会). 108-116 (1989)
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[Publications] S.HAYASHI: "Ovservation of the Chemical Strueture of Fructooligo Saccharide Produced by and Enzyme from Aureofasidlum sp.ATCC 20524." Current Microbiology. 19. 175-177 (1989)
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[Publications] S.HAYASHI: "Production of a fructosyl transferring enzyme by Aureo basidium sp.ATCC 20524" Journal of Industrial Microbiology.