1989 Fiscal Year Annual Research Report
高分子系素材の押出・引張り加工プロセスに対する計算機制御システムの開発
Project/Area Number |
63850188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 伊織 京都大学, 工学部, 教授 (40026076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 俊幸 古河電気工業(株), 設備開発部, 部員
沼波 正衛 古河電気工業(株), 設備開発部, 部長
大嶋 正裕 京都大学, 工学部, 助手 (60185254)
長谷部 伸治 京都大学, 工学部, 講師 (60144333)
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Keywords | 押出機 / 計算機制御 / メルトフラクチャ- / ス-パ-シェア / 圧力振動現象 / スペクトル解析 |
Research Abstract |
プラスチック押出機を対象にし、樹脂圧、シリンダ-長て方向の温度分布を測定し、その時系列デ-タをパ-ソナルコンピュ-タに格納できるシステムを構築し、さらにその機能を平成元年において拡張整備した。このシステムにより得られたデ-タをもとに、操作温度・押出量間の簡易モデルを作成することにより、定常状態で希望の押出量を実現する押出機操作温度を導出する方法論を確立した。しかし、得られた時系列デ-タから、押出量が平均値まわりで振動していることに気づき、一定押出量を実現するためには、この振動現象の解明はものより、生産システムでは直接測定できないこの押出量の動的挙動を、2次的変数により推定し、制御する必要性が生まれた。その第1段階として、スペクトル解析の手法・多変量解析法を拡張・援用し、2点の樹脂圧のデ-タより、押出量の動的挙動を推定しうる推定器を開発した。現在、この推定器によって、オフラインにおいてはかなりの精度で押出量を2次的変数から推定できる状態にある。今後、この推定器をオンライン化し、実験機に装備することにより、その効力をさらに詳しく検証していく予定である。 また、この押出機の振動現象に関する研究をフッ素樹脂の押し出しを行うときのシャ-クスキン現象、メルトフラクチャ-からス-パ-シェアに移る際の振動現象に関する研究にまで展開し、本年度は、フッ素樹脂の1つであるネオフロンPFAを使用し、メルトフラクチャ-時のダイス圧力の振動幅及びその振幅が、ダイス温度によりどのように変化するか、また、ス-パ-シェア領域に移る時の押出量、ダイス圧力がダイス温度によりどのように変化するかという振動現象の温度依存性を実験により明確にしている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Jian Chu: "A Robust Atudy for Chemical Process Control" Journal of Chemical Engineering of Japan. 22. 30-34 (1989)
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[Publications] Jian Chu: "A Design Method for a class of Robust Nonlinear Observer" Journal of Chemical Engineering of Japan. 22. 228-235 (1989)
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[Publications] 大嶋正裕: "モデル予測制御ーSISO系の安定性とチュ-ニングガイドラインー" 化学工学論文集. 16. 83-91 (1990)