1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種動物と人に寄生するクリプトスポリジウムの診断・予防・治療法の確立
Project/Area Number |
63860039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
板倉 智敏 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30021695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前出 吉光 北海道大学, 獣医学部, 教授 (40002084)
福本 眞一郎 酪農学園大学, 酪農学部, 講師 (00159120)
森井 勤 杏林大学, 医学部, 助教授 (80095546)
布谷 鉄夫 日本生物科学研究所, 病理室, 室長 (80099994)
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Keywords | クリプトスポリジウム / 原虫 / キニヨン染色 / ファブリキウス嚢 / 器官培養 |
Research Abstract |
1.クリプトスポリジウム(Cr)の純化 野外の鶏からCrを分離する時、しばしば鶏コクシジウムが混合感染している。そこでコクシジウムを除くことを試みた。先ず、コクジジウムを含むCrをヒナに接種し、これより7日間市販の抗コクシジウム剤を投与した。その後ヒナから排泄されたCrを浮游法によって収集し、これを別のヒナに接種したところ、Crの純化が成功した。また、抗コクシジウム剤投与後のヒナのファブリキウス嚢の乳剤を別のヒナに接種した所、コクシジウムとの混合感染はなく、純化が成功した。以上の成績から、抗コクシジウム剤はCrに効果を示さないことも立証された。 2.野外のネズミのCrの診断法の確立と感染調査 Crの人と動物あるいは動物間、人同志間の媒介に野ネズミの関与を想定し、北海道の限られた地域のネズミのCr感染調査を行った。検査はエヅヤチネズミ24頭、アカネズミ6頭、ヒメネズミ15頭について実施した。検査方法は、これらの新鮮な糞便からオーシストを浮游法で収集し、キニヨンあるいは無染色で行う方法に從った。その結果、検査例の53〜67%にCr寄生が確認された。また、寄生例の一部の小腸と結腸を光顕的、電顕的に検策し、それらの部位にCrを確認した。よって、野ネズミのCrの診断にも浮游法、キニヨン染色が適することを確認した。 3.鶏のファブリキウス(F)嚢の器官培養によるCr培養の試み 本年度はF嚢の器官培養の可否を検討した。その結果、次の方法によって8日間の培養が可能であった。F嚢を数mm^3の組織片の細切し、RPMI1640で器官培養を行う方法が最も良かった。
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Research Products
(1 results)