1989 Fiscal Year Annual Research Report
キシロシルフルクトシドを用いたう蝕予防甘味剤の開発
Project/Area Number |
63870087
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
樋出 守世 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 室長 (60072906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 寿美雄 大阪市立工業研究所, 生物化学課, 研究主任
高江洲 義矩 東京歯科大学, 口腔衛生学講座, 教授 (60048303)
今井 奨 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 主任研究官 (80072958)
西沢 俊樹 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 主任研究官 (00072942)
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Keywords | キシロシルフルクトシド / 抗う蝕原性 / う蝕予防甘味剤 / グルコシルトランスフェラ-ゼ / 酸発酵 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、キシロシルフルクトシド(XF)のin vitroにおける抗う蝕原性を中心に検討した。Streptococcussobrinus MT3791株よりグルコシルトランスフェラ-ゼ(GTase)を精製し、不溶性グルカン合成に関与するGTaseーI、水溶性グルカン合成に関与するGTaseーSa,GTaseーSbを得た。それぞれのミカエリス定数Kmと、XF存在下のKiを求めた。その結果、XFはいずれのGTaseをも効率より阻害することが確認された。 一方、口腔内連鎖球菌によるXFからの酸発酵能を、10mMXFを含む25%菌体混液のpH低下を指標として調べた結果、XFはS・cricetus、S.rattus、S.mutans、S.sobrinus、S.sanguis(II型)、S.sanguies(III型)、S.milleriによってほとんど発酵されなかった。しかし、S.sanguis(I型)には中等度に分解され、S.salivariusには速やかに分解された。XFは、う蝕への関与が強いS.mutants、S.sobrinusによって分離されにくかったが、S.salivariusのように強いXF発酵能をもつ菌が口腔内に存在することも事実で、今後注意を要する点である。 今年度はさらにXFとは異なるフルクトシド(ガラクトシルフルクトシド、アラビノシルフルクトシド)も酵素的に合成し、S.sobrinusによる両糖質の発酵能とグルカン合成阻害活性を調べたが、抗う蝕原性の観点からXFより優れたものはなかった。 今後、in vivoにおけるXFの安全性と抗う蝕原性の検討を行なう予定である。
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Research Products
(1 results)