1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870094
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 次郎 北海道大学, 薬学部, 教授 (10025679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和彦 北海道大学, 医学部, 助手 (10113581)
松本 修三 北海道大学, 医学部, 教授 (80000933)
|
Keywords | 慢性肉芽腫症 / NADPHオキシダーゼ / NADPHーチトクロームCレダクターゼ / 白血球 / チトクロームb_<558> |
Research Abstract |
慢性肉芽腫症は白血球中のNADPH oxidaseの欠損または機能不全による遺伝的疾患である。しかし、白血球中のNADPH oxidaseの生化学的実体が不明のために、慢性肉芽腫症の病因の解析はあまり進んでいない。申請者はNADPH oxidaseが細胞膜中のNADPHーcytochromecreductaseとcytochromeb_<558>から成る新しい電子伝達の系で、白血球が刺激を受けると、両者が共役してNADPH oxidaseの活性を発現することを強く示唆する結果を得た。この結果に基づいて当初に立案した計画にしたがって研究を進め、以下の事実を明らかにし得た。 1.ヒト正常白血球と数例の慢性肉芽腫症の白血球の細胞膜にNADPHーcytochromecreductaseが存在することを証明した。これらの酵素は分子量などの生化学的性質の点でモルモットやブタの白血球の酵素と類似している。また、ヒトの酵素はモルモットの肝NADPHーcytochromePー450reductaseに対するウサギ抗体と交差反応する。この性質を利用して、ヒト白血球中の酵素量を定量する放射性免疫定量法を工夫した。 2.数例の慢性肉芽腫症の白血球を分光学的に調べ、cytochromeb_<558>のスぺクトルが異常な例を見いだした。なお、cytochromeb_<558>の精製標品を得て抗体を作製し、cytochromeb_<558>の免疫定量法を確立することが今後の課題である。 3.NADPHーcytochromecreductaseとcytochromeb_<558>の共役機能を測定する方法を工夫した。白血球の細胞膜をコール酸で可溶化後、NADPHーcytochromecreductaseを添加して透析し、コール酸を除いて膜構造を部分的に再構成すると、NADPH oxidase活性が再び出現することを見いだした。この方法を用いると、NADPHーcytochromecreductaseとcytochromeb_<558>の共役構能、特に後者の共役機能を解析できることになる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Masaki Sato: Molecular Immunoloqy. 25. 205-211 (1988)
-
[Publications] Manabu Shirato: FEBS Letters. 234. 231-234 (1988)
-
[Publications] Koichi Tamoto: FEBS Letters. 244. 159-162 (1889)