1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 善雄 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (30029756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 房弘 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20018592)
糸魚川 真祐 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90027962)
上田 重晴 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90068453)
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Keywords | SSPEウイルス / SSPE細胞 / リポソ-ム / ジフテリヤ毒素フラグメントA / ハムスタ- |
Research Abstract |
1)約400PFUのSSPEウイルス感染HEL(ヒト胎児肺線維芽)細胞を脳内に接種することで、ハムスタ-に約80%以上の率でSSPEを発症させることができるようになった。この系をin vivoの実験系として用いた。 2)内部にジフテリヤ毒素フラグメントAを封印した単純リポソ-ムを脳内に直接注入することで治療実験が進められた。その理由は、in vitroでのSSPE細胞と正常HEL細胞との混合培養下で、このリポソ-ムを添加すると、SSPE細胞だけが選択的にリポソ-ムと融合し、毒素によって蛋白合成が停止し致死するが、正常細胞には全く影響の無いことが、我々の研究室ですでに観察されていたことによる。 3)SSPE細胞脳内接種後3日目から、3日間、1日1回0.05ml/脳のリポソ-ム試料を注入し、SSPE発症の抑制効果が、くり返し観察された。常に抑制効果が確認されたが、実験毎のバラツキがあり、有効であることを確証するのがむつかしい状態が続いた。そこで、本年度に入って、新しい工夫がなされた。 4)脳内に注入したリポソ-ムが極めて早く、脳外に流生することが確認された。治療のためには、できるだけリポソ-ムとSSPEウイルス感染ニュ-ロンとの接触時間を長くする必要がある。このため、大堂のリポソ-ム試料を時間をかけて、除々に注入する工夫が行はれた。この新しい方法で、3日間、1日1回、2ml/脳という大堂のリポソ-ム試料を注入したところ、注入時、すでに発症していたハムスタ-が完全に治るというドラマティックな結果を得ることができた。 5)現在、この大堂注入によって副作用が誘発されるか否か、日本サルを用いて実験が進行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡田 善雄: "Sendai virusーmediated cell fusion" Curvent Topics in Membraue and Transport. 32. 297-336 (1988)
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[Publications] 上田 重晴: "亜急性硬化性全脳炎の治療ーその細胞工学的アプロ-チ" 小児神経学の進歩. 17. 47-54 (1988)
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[Publications] 岡田 善雄: "Fusion of MadinーDar by canine lcidncy ccllsi by HVJ(Seudaiviras):absence of direct association of virus particles with the site of menbrane fusion" Eur.J.Cell Biol.51. 128-134 (1990)
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[Publications] 岡田 善雄: "Cell fusion induced by HVJ." Method in Enzymology.