1990 Fiscal Year Annual Research Report
実験用日本白色種ウサギコロニ-の遺伝的類縁関係の解明と標準系統の作出
Project/Area Number |
63880013
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Research Institution | Faculty of Agriculture, Kobe University |
Principal Investigator |
後藤 信男 神戸大学, 農学部, 教授 (80195940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上松 嘉男 (財)動物繁殖研究所, 副所長
福田 勝洋 農水省家畜衛生試験場, 室長
辻 荘一 神戸大学, 農学部, 助教授 (10031220)
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Keywords | M13ファ-ジ / DNAフィンガ-プリント |
Research Abstract |
高等動物は非常に多くのゲノムDNAをもっているが,蛋白質に翻訳されるDNAすなわち遺伝子はこのうちの一部分で,残りの大部分は機能しない非遺伝子からなっている。これらの領域における変異は生物の生存に関係しないことから淘汰を受けず蓄積される。その結果としてこれらの領域は多大な多型性をもつことになる。DNAフィンガ-プリント法はこれらの多大な多型を検出する方法がある。今年度は,このDNAフィンガ-プリント法が日白種ウサギコロニ-の遺伝的均一性と類縁関係をみるのに有効であるか否かを検討した。まず,ウサギの肝臓および血液(白血球)から常法に従ってDNAを抽出し制限酵素HaeIIIでDNAを切断した。ついで,プロ-ブとして ^<32>PでラベルしたM13ファ-ジを用い,サザンハイブリダイゼ-ションを行ってX線用フィルムにバンディングパタ-ンを写し撮った。 1.供試ウサギすべての個体で15〜20本のバンドがみられ,しかもそのパタ-ンは各個体で異なっており個体識別が可能であった。 2.同一個体の肝臓DNAと白血球DNAのフィンガ-プリント像は両者とも全く同じバンディングパタ-ンを示し,生体のどの細胞を用いてもパタ-ンに影響しないと思われた。 3.交配実験において,子供F^1のバンドはいずれも雄親もしくは雌親に由来しており,本法によるウサギ親子鑑別が可能であった。 4.2個体A,Bそれぞれのバンド数をN^A,N^B,2個体A,B間に共通なバンド数をN^<AB>とすれば,2個体間の遺伝的類以性指数DはD=2N^<AB>/(N^A+N^B)で表わされ,このDを求めることによってウサギ各コロニ-の遺伝的均一性と類縁関係をみることができることがわかった。
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