1988 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖をエピトープとして認識する単クローン抗体の開発
Project/Area Number |
63880018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木幡 陽 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30030852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 徹 東和化成工業, 富士研究所, 係長
保田 立二 岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
狩野 恭一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80152825)
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Keywords | 単クローン抗体 / アスパラギン結合糖鎖 / 人工糖タンパク質 / IgG / リポソーム / リピドA / アシアロGM_1 |
Research Abstract |
1.Galβ1→4GlcNAcβ1→4Manα1→6(Manα1→3)Manβ1→Oー(CH)_8ーCOOHの有機合成に成功した。これをメテル化BSAに結合したものを抗原に用いて免疫したマウスから単クローン抗体を調製し、同糖鎖誘導体を96穴プレート上にcoatしたポリ-D-リジンにカップルしたものとの結合性を指標としてスクリーニングした結果、3種の糖鎖と反応する抗体をえた。そこでこの抗体群の糖鎖との結合スペクトラムを各種糖タンパク質から遊離した少糖を材料に詳しく検索したところ、C2ー100と名付けた抵抗は正常1本鎖、2本鎖、3本鎖と反応せず、異常2本鎖とかなり強く反応することが判明した。以上の結果からこの抗体はGalβ1→4GlcNAcβ1→4Manα1→3(Manα1→6)Manという5糖構造をエピトープとするものと考えられる。抗体作成とスクリーニングに担体部分の異なったタンパク質を持った人工糖タンパク質を使い分けるこの方法は、今後広く糖鎖と反応する単クローン抗体の作成に応用出来よう。現在C2ー100の各種糖タンパク質との反応性や組織染色への応用を試みると共に、別の合成糖鎖を用いた単クローン抗体の作成へと研究の幅を広げつつある。 2.自己免疫マウスMRL/lprを用い、従来IgG特異抗体を作成し難いとされていたアシアロGM_1をモデル抗原に使って特異抗体の産生を試みた。疾患発病前のこのマウスで正常マウスに比較して約20倍ものIgG型アシアロGM_1抗体が産生されることが判明し、このマウスがIgG型抗糖鎖単クローン抗体を作成する上で有用な免疫動物となりうることが判明した。一方、リポソームを抗原に用いた一連の研究によって、リピドAを含むリポソームが抗体作成上極めて有効であることも確認された。第一年度にえられたこの知見を土台に次年度は人工糖タンパク質を使った実験に手を広げて同様の実験を行ない、その有用性の範囲と限界を明確に出来ると考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Amano,J.;Nishimura,R.;Mochizuki,M.;Kobata,A.: J.Biol.Chem.263. 1157-1165 (1988)
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[Publications] Kobata,A.: Gann Monograph Cancer Res.34. 3-13 (1988)
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[Publications] Sadahira,Y.;Mori,M.;Awai,M.;Watarai,S.;Yasuda,T.: Blood. 72. 42-48 (1988)
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[Publications] Watarai,S.;Onuma,M.;Yasuda,T.: Jpn.J.Vet.Sci.50. 463-469 (1988)
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[Publications] Umeda,M.;Tomita,T.;Shibata,H.;Seki,M.;Yasuda,T.: J.Clin.Microbiology. 26. 804-807 (1988)
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[Publications] Kobata,A.: Biochimie.
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[Publications] Yasuda,T.;Ishimori,Y.;Umeda,M.: "Immunoassay using fluorescent dye-trapped liposomes Liposome immune lysis assay(LISA)" Plenum Press, 389-399 (1988)