1988 Fiscal Year Annual Research Report
テルツァギ・モデルによる圧密模型実験装置の試作研究
Project/Area Number |
63880039
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
尼田 正男 和歌山工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (60043535)
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Keywords | 圧密 / テルツァギモデル / 土の透水 / 有効応力 / 中立応力 / 間隙水圧 / 沈下量 / 模型実験装置 |
Research Abstract |
粘土地盤の沈下量を推定するのに、テルツァギ・モデルによる圧密理論が一般的に用いられている。そこで筆者は、小規模の実験で圧密現象全般が容易に理解できるように、粘土の骨組を単純な力学的性質を持ったモデルに置き換えた単層型の圧密模型実験装置を考案し、それを試作した。以下これらの一連の実験を行った結果について報告する。 1.スプリングは土粒子が形成する粘土の骨格を、シリンダー内の水は粘土中の間隙水を表している。またピストンに取り付けた小孔の数は粘土の透水性に対応している。実験として載荷々重6kg〜1kgに対する透水コネクターの数が変化した場合の圧密経過時間〜沈下量の測定、またその時のシリンダー内の水圧をマノメータとロードセルから測定した。これらの実験から得られた実験値とテルツァギ・モデル理論より得られる計算値とを比較した結果95%の精度で両者は一致した。 2.本実験装置では、透水係数、有効応力と中立応力など計算に必要なデータは総て実験で求めることができる。 3.圧密中に透水係数、体積圧縮係数は変化しないので圧密係数一定な実験ができる。 4.ピストンに取り付ける透水コネクター(間隙水の抵抗)の数は粘土の透水性を示すもので、透水コネクターの数を少なくすると透水性の悪い粘土に、逆に多くすると透水性の良い粘土になる。従って、実験時間に応じた圧密速度にコントロールできる。 5.装置はコンパクトにしかも使いやすくまとめてあり、手際よく、安全に取り扱うことができ、準備も含めて短時間に所定の実験ができる。 6.本実験装置は実験者の立場を十分に踏えて、色々と創意工夫した設計で試作されている。したがって、特別な操作や実験技術を必要とせず、測定精度の高い実験を行うことができた。
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Research Products
(2 results)