2016 Fiscal Year Annual Research Report
発癌シグナルにおけるK63型と直鎖状ポリユビキチン鎖の機能的クロストークの解明
Publicly Offered Research
Project Area | New aspect of the ubiquitin system : its enormous roles in protein regulation |
Project/Area Number |
15H01176
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70176428)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | シグナル伝達 / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルスI (HTLV-1)の感染が原因となり、50年以上の潜伏期間を経て発症する極めて予後不良の白血病・リンパ腫である。HTLV-1はTaxとHBZという二つの発癌タンパク質を産生するが、Taxが感染初期に起こる感染T細胞の不死化と腫瘍化に、HBZは腫瘍化とその後の腫瘍細胞の維持に関与すると考えられている。代表者は、Taxタンパク質が転写因子NF-κBの活性化を介してT細胞増殖因子IL-2やその受容体α鎖(IL-2Rα)を発現誘導することを示し、この発現誘導で形成されるIL-2のautocrine刺激による異常増殖が癌化の引金になるというモデルを提唱した。実際、NF-κBの活性化能を欠失したTax変異体は癌化能を消失することからTaxによるNF-κBの活性化は「発癌シグナル」と考えられている。前年度までにTaxが直鎖状ユビキチン鎖を合成するLUBAC複合体をIKK複合体にリクルートすることでK63型と直鎖状ユビキチン鎖のハイブリット鎖を合成することでIKK複合体の高分子化と活性化を誘導することを示した。今年度はTaxで活性化したIKK複合体を精製しその構成因子を質量分析器で解析し、actin結合タンパク質で機能が十分に分かっていないDrebrinを同定した。DrebrinのノックダウンはTaxによるNF-κB活性化を減弱させたがTNFαによる活性化には影響を与えなかった。即ちDrebrinはTaxによるIKK活性化に特異的に働くタンパク質であることが予想された。さらに解析したところDrebrinはTaxとIKK複合体の結合を著しく促進することがわかった。即ちATL発症に重要な役割を果たすTax特異的なNF-κB活性化を制御する新たな因子を見出しその作用機構の一部を明らかにすることに成功した。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Identification of embryonic precursor cells that differentiate into thymic epithelial cells 5 expressing autoimmune regulator.2016
Author(s)
Akiyama, N., Takizawa, N., Miyauchi, M., Yanai, H., Tateishi, R., Shinzawa, M., Yoshinaga, R., Kurihara, M., Demizu, Y., Yasuda, H., Yagi, S., Wu, G., Matsumoto, M., Sakamoto, R., Yoshida, N., Penninger, J.M., Kobayashi, Y., Inoue, J. and Akiyama, T.
-
Journal Title
J. Exp. Med
Volume: 213(8)
Pages: 1441-1458
DOI
Peer Reviewed