2016 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンによるタンパク質翻訳後修飾のダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | New aspect of the ubiquitin system : its enormous roles in protein regulation |
Project/Area Number |
15H01177
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
紺野 宏記 金沢大学, バイオAFM先端研究センター, 准教授 (80419267)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高速原子間力顕微鏡 / ユビキチン修飾 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の翻訳後修飾の1つであるユビキチン化は、細胞内タンパク質の選択的分解、DNA修復、細胞周期、転写、翻訳、シグナル伝達、免疫などほぼすべての生命システム(細胞内プロセス)の制御に関与している。ユビキチン修飾に関する研究は、当初、生化学・分子生物学的手法を用いて進められ、これまでにユビキチン化を担う酵素群や標的となる基質タンパク質の同定などが行われてきた。しかし、ユビキチン化メカニズムを理解するためには、上述した研究手法だけでは不足で、ユビキチン化の動的分子プロセスをリアルタイムで観察することが必須の状況となっている。研究代表者は、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)観察技術を用いて、ユビキチン修飾における構造ダイナミクスをリアルタイムで観察し、ユビキチン化に必須な各種酵素間の相互作用およびその際の構造変化や基質タンパク質上でのポリユビキチン鎖伸長の動的分子プロセスを明らかにすべく研究を遂行してきた。これまで、HECT型E3のドメイン部分の高速AFM観察を行い、これまでX線構造解析を中心とした構造生物学的手法により予想されていた大きな構造変化を溶液中で初めて検証することに成功した。ユビキチン化は、複数のユビキチン化関連酵素により行われているため、溶液中に混在するすべてのタンパク質が基板上に固定されると、分子間相互作用が阻害されてしまう。そこで、タグを導入したタンパク質のみを基板に固定させることに成功している。また、基板に固定した基質タンパク質にE3がユビキチンを付加できることも確認できた。これまで観察基板、固定条件、基板上でのユビキチン化反応の検証など、地道な観察条件の検討を重ねてきたが、後は実際にユビキチンが付加される瞬間を捉える段階にある。予備的なデータではあるが、E3が基質タンパク質に結合し、解離する様子をリアルタイムで可視化している。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)