2015 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾因子の翻訳後修飾:リン酸化ユビキチンの細胞内機能の解析
Publicly Offered Research
Project Area | New aspect of the ubiquitin system : its enormous roles in protein regulation |
Project/Area Number |
15H01196
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
松田 憲之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, プロジェクトリーダー (10332272)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Parkin / PINK1 / ユビキチン / リン酸化 / ミトコンドリア / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
助成対象者(松田憲之)は、PINK1 と Parkin が異常ミトコンドリアをユビキチン化し、細胞内から除去する仕組みを解析してきた。本年度に助成対象者が研究対象にしたのが、損傷ミトコンドリアにParkinを移行させる“受容体”の実体解明である。これまでにも「Parkin受容体を同定した」とする複数の論文が報告されていたが、いずれも実験結果との矛盾があり、助成対象者はその結論に懐疑的であった。 細胞内でユビキチンは単体(モノユビキチン)だけでなく、複数の分子が連なったユビキチン鎖としても存在する。リン酸化ユビキチンがリン酸化Parkinを活性化するという事実から両者の相互作用が示唆されるが、単体のリン酸化ユビキチンとParkinの結合は非常に弱かった。そこで、リン酸化ユビキチン鎖がParkinと結合する可能性を検証した。まず、細胞内や試験管内でユビキチン鎖もPINK1によってリン酸化されることを示した。次に、このリン酸化ユビキチン鎖がParkinの局在変化に関与するかどうかを検証するために、ミトコンドリア局在シグナルとタンデムユビキチンを融合(Mt-4Ub)し、PINK1欠損細胞内でParkinと共発現を行なった。Mt-4UbとParkinの両者がリン酸化模倣変異を有する時に限り、PINK1やミトコンドリア膜電位の低下と無関係に、Parkinはミトコンドリアに局在化した。さらに試験管内でリン酸化ユビキチン鎖とリン酸化Parkinの直接的な結合を示した。より生理的なリン酸化ユビキチン鎖(K63 linkage リン酸化ユビキチン鎖)をリソソーム上に形成させた場合にも、Parkinをリソソームに局在化できることが明らかとなった。一連の結果から、助成対象者(松田憲之)は、リン酸化ユビキチン鎖が “Parkin受容体”であると結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ParkinとPINK1とユビキチンの3者が協調して、どのようにしてミトコンドリアの品質を管理・維持しているのかについて、その仕組みが「翻訳後修飾因子(ユビキチン)の翻訳後修飾(リン酸化)」という、研究課題通りの文脈で明らかになりつつある。リン酸化されたユビキチンの鎖がParkin受容体であることを見出すことにも成功し、研究はおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳後修飾因子(ユビキチン)の翻訳後修飾(リン酸化)の意味に関して、Parkin との結合に対して果たす役割を中心に、引き続き未解明点の解明を進める。また、リン酸化ユビキチンとParkinに加えて、E2 あるいはリン酸化ユビキチンとチオエステル結合した E2 も役者として検討に加えることで、生理的な意味でのさらなる機能解明を目指す。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Site-specific interaction mapping of phosphorylated ubiquitin to uncover Parkin activation.2015
Author(s)
Yamano, K., Queliconi, B.B., Koyano, F., Saeki, Y., Hirokawa, T., Tanaka, K., and Matsuda, N.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 290
Pages: 25199-25211
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Phosphorylated ubiquitin chain is the genuine Parkin receptor.2015
Author(s)
Okatsu, K., Koyano, F., Kimura, M., Kosako, H., Saeki, Y., Tanaka, K., and Matsuda, N.
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Journal Title
Journal of Cell Biology
Volume: 209
Pages: 111-128
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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