2018 Fiscal Year Annual Research Report
骨化順序ヘテロクロニーの揺らぎと制約
Publicly Offered Research
Project Area | Evolutionary theory for constrained and directional diversities |
Project/Area Number |
18H04816
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
小薮 大輔 武蔵野美術大学, 造形学部, 准教授 (60712510)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘテロクロニー |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類79種の幅広い動物種の胎子の全身マイクロCT画像を材料とした分析を行った.なお本研究で使用するマイクロCTは今年度9月までに発表者の研究室に導入することが課題であった.本機を用いて,未分析の胎子標本の撮影を進めるとともに,本課題は羊膜類において全身骨格の骨化順序を記載し,系統樹上にマッピングを行うことで哺乳類における骨化順序の進化史と制約性を明らかにすることを目指した.予定通りマイクロCTを本研究室に設置することができ,入手済胎子標本の高解像度撮像を進めた.これにより79種についての全身骨格の骨化順序の記載を完了し,分析を行った.その結果,全身骨のなかで前肢指骨および後肢指骨,胸椎の進化速度が最も早いことがわかった.一方で,鎖骨および前肢手根骨の進化速度が最も遅く,哺乳類全体においてほとんど変異が認められず極めて保守的であることがわかった.他方,後肢足根骨は全身骨のなかで進化速度は平均的であり,連続相同であるはずの前肢手根骨とは対象的に進化的制約は緩いことがわかった.また,各種の生活史で比較すると,出生直後から自立行動ができる早成動物と未熟なまま生まれる晩成動物とで,四肢動物形成傾向が大きく異なることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
哺乳類全体での進化的制約パターンの検出には成功し,また関連論文も順調に発表にいたっているが,種内すなわちマウスモデルにおけるゆらぎパターンの解析には着手できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
哺乳類全体における全身骨の比較解析がほぼ完了したので本年は論文発表に向けて執筆を最優先で進める.加えて,種内変異動態の実験を行い,種内変異と種間変異の相関関係の分析を進める.種内変異動態の実験実行が今後の課題である.種内レベルで骨化順序の変動幅が大きい骨は,種間レベルでも骨化順序の進化速度が大きいのかを検証を進めていきたい.
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[Journal Article] Non-invasive age estimation by cranial suture closure in Japanese sika deer (Cervus nippon)2019
Author(s)
Oh, J.W., Minami, M.,Ikeda, S.,Takatsuki, S., Oonishi, N, Higuchi, N., Okada, A., Kimura, J., Koyabu, D
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Journal Title
Mammal Study
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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