2018 Fiscal Year Annual Research Report
行動モードの相転移を実現する脳情報動態
Publicly Offered Research
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
18H05123
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 俊詩 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (60608529)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 神経回路 / 行動制御 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
線虫C. elegans の2つの行動様式、「ローカルサーチ」と「グローバルサーチ」の違いを特徴付ける行動要素として、後退や急激な方向転換などのターン運動の頻度が挙げられる。すなわち、ローカルサーチモードではターン運動の頻度が上昇し、方向転換を繰り返しながら局所的な探索運動を繰り返すのに対し、グローバルサーチモードでは、方向転換の頻度を著しく減少させることで、より広範な範囲を探索する。本年度は、まず、行動の相転移がおきる温度環境下での、これらの後退などの方向転換運動を制御する神経細胞の同定を試みた。具体的には、すべての神経細胞が同定されている線虫の利点を生かし、個々の神経細胞が脱落した系統を多数作成した。これらの神経細胞脱落株での温度環境下での行動をMulti Worm Trackerによって計測後、得られたデータから後退や方向転換に寄与する神経細胞の同定を試みた。これによって、線虫の主要な温度受容ニューロンであるAFDや、その下流に位置するいくつかの介在ニューロンが後退などの方向転換の制御に関わっていることが明らかとなってきた。 さらに、ローカルサーチからグローバルサーチへと行動が相転移を起こす際に、どのような神経活動が関与するのかを明らかにするために、行動中の線虫を高倍率で捉え、動きに合わせて追従しながら神経活動を計測する高速トラッキングシステムの拡張を行った。現在までに、複数の神経細胞から神経活動を得るための画像解析プログラムを更新した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はmulti worm trackerによる計測や高速トラッキングシステムの拡張など、研究課題を推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、行動モードの相転移に関わる神経回路同定を一層進めると同時に、前年度までに改良してきたトラッキングシステムを用いて行動モードの相転移を引き起こす神経活動動態を捉えることを目指す。
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Research Products
(8 results)