2020 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン抑制因子の破綻によるネオセルフ生成
Publicly Offered Research
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
19H04816
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹馬 俊介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (50437208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / 新規抗原 / クロマチン制御 / エピジェネティクス / 免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRIM28は、ヘテロクロマチンタンパク、ヒストン脱メチル化酵素およびヒストンメチル化酵素と会合し、抑制性ヒストン修飾によりグローバルに転写抑制を起こす分子である。TRIM28は初期発生で必須の働きを行うが、体細胞、とくに免疫系での意義は知られていなかった。研究代表者は、TRIM28分子をマウス のTリンパ球で特異的に欠失させると、自己反応性のIL-17産生性ヘルパーT細胞(Th17)が分化、活性化し、自己免疫疾患を発症して早期に死亡することを報告し てあり、 (Chikuma et al. Nat.Immunol. 2013)当研究ではたらにこの分子の、免疫系での役割を明らかにしようとしている。 これまでに、TRIM28を、抗原提示細胞で特異的欠損するマウス(DCKO)を作成し、これらマウスの抗原提示細胞による抗原提示能が上昇し、Tリンパ球をよく活性化すること、特に自家リンパ球混合反応(auto MLR)を増強する事、DCKOが、実験的脳脊髄炎モデルの増悪を示すことを見出した。TRIM28欠損下 で有意に発現上昇した遺伝子群を、レトロウイルスベクターで、骨髄誘導樹状細胞に強制発現させると、いくつかの分子がT細胞活性化を上昇させることを見出した。RNAシークエンスとCHIPシークエンスの複合オミクス解析により、これら免疫活性化遺伝子と、ゲノムに点在する内在性レトロウイルス配列(ERV)が近傍に位置し、TRIM28欠損細胞においてERVが脱抑制(ヒストンH3K9メチル化の低下)されると、ERVが免疫活性化遺伝子のエンハンサー、プロモータとして働き転写を起こすことを見出した。また、ERV自身のタンパクが転写翻訳され、新規自己抗原としてT細胞に認識され、免疫活性化能を持つことを見出し、以上の結果を論文報告した (Chikuma J Immunol, 2021)。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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