2021 Fiscal Year Annual Research Report
器官配置の周期を構成し変調するメリステム動態の理論生物学:コケと花
Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
20H05415
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 仰一 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60334306)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数理モデル / 細胞分裂面 / 形態形成 / メカノバイオロジー / 幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分裂面を決定するルールをヒメツリガネゴケの葉になる組織で見出した。分裂面が親細胞の重心を通る知見と、野生型およびshr (shoot root)変異体それぞれの親細胞の形をphase-fieldモデルへ導入して、面積最小の曲面を探索した。その結果、shr変異体で観測した分裂面は、面積最小曲面の方向や位置と一致した。一方で、野生型の分裂面は、面積最小曲面と一致する細胞と大きく異なる細胞とが、ほぼ同頻度であった。この結果は、shrが重心を通る面積最小則(Errera’s rule)を「上書き」して分裂面を決定することを示唆する。 また、Anemoneなどの花器官の空間的配置に関する数理解析を動物に応用した。イソギンチャク(sea anemone)において、内臓器官の配置が左右対称な個体と放射対称な個体が同種内で共存することを、動物で初めて見出した。花器官配置の数理モデルを応用して解析を進め、対称性を制御する発生基盤を予測した(Zoological Lett. 2021)。 さらに、領域内融合研究を通じて、異なる細胞群との境界を形作る力学的仕組みを見出した。Arabidopsis根維管束の細胞分裂に伴い、木部と前形成層の境界は、直線的に細胞が配置することを我々は見出してきた。分裂は、境界から離れた2か所に対称に位置する師部へ局在した。我々はこの局所的かつ空間対称な分裂パタンをvertex modelへ導入した結果、師部から境界の方向への異方的な応力が維管束全体に生じた。この大域的な応力場が境界を圧迫した結果、境界の細胞配置が直線化した。動物上皮組織では、境界近くでの局所的な応力の生成が境界を形づくる。これに対して本成果では、遠位側に対称に局在する分裂による大域的かつ対称な応力の生成が境界を形づくる。この仕組みは、細胞壁などにより細胞が移動しにくい組織にとって力学的に適している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)