2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間行動の社会学的分析に基づく複数人環境での人間とロボットのインタラクション
Publicly Offered Research
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
21013009
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
久野 義徳 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10252595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 貴訓 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20466692)
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
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Keywords | 知能ロボティックス / ユーザインターフェース / 社会学 / エスノメソドロジー / コンピュータビジョン / ヒューマンロボットインタラクション / サービスロボット / 非言語コミュニケーション |
Research Abstract |
人間と共生し、人間を支援してくれるサービスロボットには人間と円滑にインタラクションできる機能が必要である。人間同士のインタラクションでは非言語行動が重要な役割を果たしているといわれている。そこで、本研究課題では、社会学の方法により人間同士のインタラクションを非言語行動に注目して分析し、そこで得られた知見に基づきロボットを開発し、そしてそのロボットと人間のインタラクションを社会学の方法で分析して有効性や問題を検討する。これまでの人間とロボットのインタラクション研究では対話の相手が決まっていることが多かったが、ここではあらかじめ相手の決まっていない複数人環境の中で、複数人への対応も含めて検討する。平成21年度は美術館で学芸員が複数の相手に質問を交えながら説明する場面のビデオを分析することにより、人に説明する場合には、聞き手を見回し、そして質問をするときには質問文を発しながら聞き手を見て、その反応により質問の相手を選ぶことを見出した。例えば、質問の答えを知らずに答えたくない人は、視線をそらすなどの行動を示す。この知見に基づき、全方位カメラとレーザ距離センサを組み合わせたセンサシステムにより周囲の複数の人間の頭部の動きを認識する技術を開発し、人間のガイドと同様に質問中に聞き手の反応を見て、質問相手を選ぶことができるミュージアムガイドロボットを実現した。被験者を用いた実験により、ロボットの場合でも、質問の答えを知らない場合には困ったと感じる人が多く、このように質問相手を選択するロボットが有効であることがわかった。
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