2021 Fiscal Year Annual Research Report
HypTPCを用いた少数系K中間子クラスターK-pp, K-pppの研究
Publicly Offered Research
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
21H00130
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
市川 裕大 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (50756244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレンジネス核物理 / K中間子原子核 |
Outline of Annual Research Achievements |
J-PARC K1.8ビームラインにおいて、KURAMAスペクトロメータとHypTPCを中心とするHyperonスペクトロメータを用いて、令和3年度にデータ取得を行った。 この実験では、キャリブレーション用にKURAMA電磁石ON/OFF、Hyperonスペクトロメータ用電磁石ON/OFFの状態で、Beam Throughのデータを取得した。このBeam Throughのデータを用いて、KURAMA Spectrometerの位置検出器とHypTPC検出器の位置のキャリブレーションを行うことができる。また、同様にスペクトロメータのキャリブレーションの為にCH2 標的のデータを取得した。キャリブレーションデータ取得後に、約30日の間、ダイヤモンド標的の物理データを取得した。 データ取得後は、Beam ThroughやCH2標的のデータなどを用いて、HypTPCのキャリブレーションを進めた。また、KURAMA スペクトロメータ側の解析も進め、p(K-, K+)Ξ-反応を用いて、Ξ粒子の生成率、Missing mass分解能を見積もり、スペクトロメータの健全性を評価した。 また、研究会等で、本研究計画に関する発表やPreliminaryな解析結果の報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、2021年5, 6月に実験データを取得することができた。 実験前までに、HypTPC検出器をはじめとする検出器群の設置、信号チェックなどを終了させ、無事実験に臨むことができた。実験中は、HypTPC検出器のゲーティンググリッドなどに不調があり、実験中に検出器の取り出して、メンテナンスを行うなどのトラブルはあったが、短時間で問題を解決することができ、全体のビームタイムのスケジュールを変更することなく、実験を完了させることができた。 2021年度中は、KURAMAスペクトロメータの解析を概ね完了することができた。p(K-, K+)Ξ-反応のスペクトル解析から、Ξ粒子を再構成することに成功した。また、Ξ粒子の収量、質量分解能は概ね想定通りの値になっており、正しくデータを取得できたことを確認することができた。 Hyperonスペクトロメータ(HypTPC)の解析は、FADCのWaveform解析(ベースライン補正)や検出効率の評価、トラッキングアルゴリズムの開発など基礎的な解析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Hyperonスペクトロメータ(HypTPC)のデータ解析を進め、物理解析を本年度中に行う予定である。また、得られた結果を研究会などで報告し、理論研究家などと結果について議論を進める。 また、必要な物品などを購入し、スペクトロメータシステムの維持・管理も行う。
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Research Products
(5 results)