2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of working mechanisms of a molecular-engine complex responsible for protein membrane permeation by imaging of the conformational dynamics
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
21H00393
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内橋 貴之 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30326300)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高速原子間力顕微鏡 / 膜タンパク質 / トランスロコン |
Outline of Annual Research Achievements |
*SecYAEGの動態観察 SecYEGとSecAを融合したSecYAEG 複合体を脂質ナノディスク(ND)に再構成したSecYAEG-NDをマイカ基板に固定し、さらにモデル基質であるproOmpAを取り込ませた状態でAFM観察を行った。その結果、SecYAEG-NDと基質が結合している様子を観察することができ、さらに、ATP存在下では基質が時間とともに膜輸送されている様子を観察することに成功した。また、膜輸送時には基質の取り込みを担うSecAの一部が構造変化している様子が見られた。先行研究から、Pre-Protein Cross linking Domain(PPXD)と呼ばれる領域が基質の膜輸送と共役して構造変化していると考えられており、PPXDを欠損した変異体SecYA(⊿PPXD)EG-NDのAFM観察では構造変化が観察されなかったことから、PPXDの構造変化を可視化していると結論できた。 *べん毛Ⅲ型分泌装置のATPase FliIのHS-AFM観察 領域内共同研究としてバクテリアのⅢ型分泌装置の構成タンパク質であるFliI ATPaseの高速AFM観察を行った。ADP-AlF3溶液でFliIをインキュベーションすることで6量体を形成させたところ、クローバー型の3回対称構造が観察された。さらにこの構造はMgイオン存在下では6回対称リングに変化し、リングの一部分が開裂する様子が見られた。さらに、ADP-AlF3-Mg溶液で6量体を形成したあとに、観察溶液をATP-Mg溶液にすると6量体リング構造に加えて三つの輝点からなる全く異なる構造が少数観察された。この三角形構造は、さまざまな観察溶液の測定よりヌクレオチドが結合していないアポ状態の構造であることが分かった。このように観察溶液の条件によって、これまで予想されていたとは全く異なる大きな構造変化が起きていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂質ナノディスクに再構成したSecYAEGをマイカ基板に固定した状態でタンパク質の側面から高速AFM観察することに成功し、さらにモデル基質であるproOmpAとSecYAEG-NDが結合している様子を捉えることができたこと。、また、基質結合時にSecAの一部が構造変化している様子を観察できたことから、最終目標である基質輸送とSecAの構造変化の同時観察できる見通しがたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. SecA ATPaseの構造変化イメージング: SecAのATP加水分解と連動した構造変化が、基質タンパク質をチャネルに押し込む力を発生していると考えられている。このSecAの構造変化を上面および側面から高速AFMで観察し、スーパーアクティブ変異体や機能欠失変異体等の解析とあわせて、ATP加水分解サイクルと構造ダイナミクスの連関を明らかにする。 2. 基質タンパク質膜透過とSec複合体の動態観察: SecAの構造変化と連動して基質タンパク質が膜輸送される様子を可視化する。さらに、SecA-SecYEG-SecDFでも同様の観察を行うことで、タンパク質膜輸送を駆動する膜両側(細胞質側/ペリプラズム側)の構造ダイナミクスに関する包括的な描像を得られる。 3. ドッキングシミュレーションによる作動モデルの構築: 高速AFMの動画データを基にX線回折や電子顕微鏡で得られている原子レベルの立体構造とのドッキングシミュレーションを行い、Sec複合体の膜透過機構の精密な動作モデルを構築する。 上記研究と同時に、領域内共同研究を積極的に推進する。
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[Journal Article] Desiccation-induced fibrous condensation of CAHS protein from an anhydrobiotic tardigrade2021
Author(s)
Maho Yagi-Utsumi, Kazuhiro Aoki, Hiroki Watanabe, Chihong Song, Seiji Nishimura, Tadashi Satoh, Saeko Yanaka, Christian Ganser, Sae Tanaka, Vincent Schnapka, Ean Wai Goh, Yuji Furutani, Kazuyoshi Murata, Takayuki Uchihashi, Kazuharu Arakawa and Koichi Kato
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Pages: 21328
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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