2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of curvaure variation for understanding tip growth and its tropism
Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
22H04718
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 良勝 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (30414014)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物の周期と変調 / 細胞壁 / 先端成長 / 曲率変動解析 / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
先端成長は、被子植物では花粉管や根毛が典型的な例であるが、コケ植物やシダ植物の原糸体細胞にも見られる陸上植物共通に見られる伸長様式である。先端成長細胞が周期的な速度変化を伴って伸長することはこれまでの研究で知られている。しかし、これまでの解析のほとんどは、細胞の長さや角度計測という限られた情報のみで伸長速度や屈性が評価されてききた。本研究では、動体追尾イメージングを基盤に、有機合成科学、マイクロデバイス技術、画像解析技術など異分野技術を駆使して従来の先端成長の定量解析に新たなスタンダードを創出することを目的としている。これまでに、シロイヌナズナの花粉管、根毛、ヒメツリガネゴケ原糸体細胞の細胞壁をラベルしそれらの細胞先端部の曲率解析を行ってきた。独自に開発した近赤外蛍光性細胞壁可視化プローブを用いて細胞壁をラベルしたヒメツリガネゴケ原糸体細胞では、曲率変動解析に必要な二値化処理に十分なシグナルノイズ比で細胞輪郭を染色されていることが確認でき、明瞭な先端部の曲率変動と曲率極大部の法線ベクトルを得ることに成功した。一方、先端成長細胞先端部の曲率変動周期性や変調を解析するには、視野内での周期数が不足するという課題も明らかになりました。そこで今年度は、周期回数を稼ぐ動態追尾が可能な顕微鏡システムの構築に取り組んできた。その結果、現在までに細胞周期を跨いだ動体イメージングに成功した。さらに、重力刺激に応答する植物特有の現象を追跡するため、水平光軸顕微鏡システムの構築にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先端成長細胞の曲率変動周期の解析ツールとしての、独自に開発した近赤外蛍光性細胞壁可視化プローブの有効性が確認されるとともに、細胞膜に局在するマーカー因子を蛍光タンパク質でラベルした形質転換体株の作成も完了した。一方、蛍光追尾イメージング系の開発にも成功しているため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞周期を跨いだ動体イメージングが可能になったヒメツリガネゴケ原糸体細胞にて、微小管、カルシウムイオン、蛍光オーキシンなどの動態との相関をイメージング解析する。これらの解析により、動体追尾顕微鏡システムを用いて従来の観察法では追跡不可能であった長時間に渡る先端成長細胞観察を遂行し、曲率変動に伴う新たな周期性やその変調の検出を目指す。本システムは、共同研究ベースで研究を開始した糸状菌の先端成長解析も十分に適用可能であると考えられる。先端成長伸長様式の共通性や相違性を見出すため共同研究により多様な生物種を扱えることも本研究の特徴であり、より正確な細胞動態解析技術の構築に役立てる。
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Research Products
(2 results)