2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neutron diffraction microstructural and crystal plasticity analyses for additively manufactured titanium alloys with non-equilibrium microstructures
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Materials by Super Thermal Field: Neo-3D printing by Manipulating Atomic Arrangement through Giant Potential Gradient |
Project/Area Number |
22H05274
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山中 謙太 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (30727061)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | チタン合金 / Additive Manufacturing / 中性子回折 / 組織 / 塑性変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、エネルギー源(レーザー、電子ビーム)の異なるPowder bed fusionタイプのAdditive Manufacturing装置(以下、L-PBFおよびEB-PBF)を用いて作製したTi-6Al-4V合金を対象にJ-PARCのiMATERIA (BL20)にて中性子回折測定を行い、造形組織を評価した。その結果、L-PBF材の造形組織がα’マルテンサイト単相組織であることを確認するとともに、得られた中性子回折測定データに対してRietveld Texture解析を行い、L-PBF材の集合組織が<001>配向した旧β結晶粒の形成とマルテンサイト変態におけるBurgersの方位関係により説明できることを見出した。このような結晶方位分布はα’マルテンサイトの相分解に差異はあるものの先行研究にて評価を行ったEB-PBF材における結果と同様である。また、バルク材を対象とした中性子回折測定により理論的に予想される結晶方位分布を決定することができたことから、これまで検討した測定条件にて高精度な測定・解析ができたと判断できる。本年度は、先行研究において組織変化が起こることが報告されている600 ℃にて上記2種類のTi-6Al-4V合金試料の高温変形におけるその場中性子回折測定も実施した。中性子回折データとともに取得した応力-ひずみ曲線では、EB-PBF材とL-PBF材において異なる強度特性を見出し、製造プロセスの影響について新しい知見を得ることができた。なお、本測定では中性子照射下で引張変形を付加しながら連続的に回折プロファイルを取得しており、現在得られたその場中性子回折測定データの解析を進めている。さらに、EB-PBFを用いて異なる造形条件にて造形を行い、X線CT測定によりLack-of-Fusion等のマクロな造形欠陥を含まないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた試料作製および中性子回折測定を実施することができ、概ね計画通りの進捗状況となった。測定上の課題も抽出することができ、今後の研究遂行に有用な成果が得られた。関連する論文も投稿することができ、順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、引き続き中性子回折データの解析に取り組み、造形プロセスの違いによる高温変形挙動への影響を転位組織や集合組織、相分率の観点から明らかにする。また、前年度末に作製した造形条件の異なるEB-PBF材についても同様の評価を進める予定である。さらに、ラボにおける組織観察にも注力して取り組み、ナノ~ミクロにおける組織変化を中性子回折により得られるバルク平均の組織情報や塑性変形挙動と対応させることで体系的な理解に繋げたい。得られた成果については順次学会発表および論文投稿へとつなげていく。
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