2011 Fiscal Year Annual Research Report
複合体構造解析によるADPリボシル化毒素の標的タンパク質認識機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121529
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
津下 英明 京都産業大学, 総合生命学部, 教授 (40299342)
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Keywords | C3 / RhoA / Ia / アクチン / モノADPリボシル化 / 複合体結晶構造解析 / 特異性 |
Research Abstract |
多くの病原性細菌はモノADPリボシル化毒素(ADPRT)を持ち、ヒトの重要な蛋白質を標的にモノADPリボシル化することで,その機能を不全にする。これら修飾酵素と基質蛋白質の構造と機能は複合体構造解析なしには理解できない。我々はウェルシュ菌ADPリボシル化毒素Iaとアクチン複合体の結晶構造(βTAD-Ia-actin)を2008年に明らかにしている。この系で新たにNADやβTADを含まない、apo-Ia-actin複合体で結晶が得られ構造を明らかにした。またapo-Iaの結晶構造が得られた。既に我々が構造を得ているNADH-Ia,βTAD-Ia-actinと合わせて詳細に構造変化検討することにより、一連のADPリボシル化反応に伴う構造変化を明らかにした。機能に重要なEXE loop上のGlu378が2つのコンフォメーションをとる事、βTAD-Ia-actinでのみ1つのヘリックスが大きく動く事が明らかになってきた。 ボツリヌス菌C3毒素は低分子量GタンパクであるRhoAのAsn41をADPリボシル化する。C3毒素とその標的のタンパクであるRhoAの複合体の結晶構造解析を目的として基質RhoAの大量発現を試みた。この結果、RhoAの安定化したF25Nの大量発現に成功し、c3毒素による活性化が見られた。HisタグおよびGSTタグでの発現し、精製をそれぞれ行い、複合体での安定する結晶化条件の探索を行っている。いくつかの条件で微結晶が得られている。今後より精密化して回折データを取れるように大きくする必要があり、さらに複合体結晶かどうかを見極めていく必要がある。 サルモネラ菌SpvBのC末端(ADPRT)ドメインの発現に成功して、SpvB-アクチンの複合体結晶化を行っている。さらに複合体の結晶解析、および機能解析に必要なためアクチンの変異体の発現を酵母で進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウェルシュ菌ADPリボシル化毒素Iaとアクチン複合体で一連のADPリボシル化反応に伴う構造変化を明らかにした。一方C3-RhoA複合体結晶はいくつかの条件で微結晶が得られているが、複合体かどうか未定である。
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Strategy for Future Research Activity |
C3-RhoA複合体結晶はいくつかの条件で微結晶が得られている。今後より結晶化条件を精密化して回折データを取れるように大きし、さらに複合体結晶かどうかを見極めていく必要がある。 サルモネラ菌SpvB-アクチンの複合体結晶化を進める。さらに複合体の結晶解析、および機能解析に必要なためアクチンの変異体の発現を酵母で進める。
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