2012 Fiscal Year Annual Research Report
複合体構造解析によるADPリボシル化毒素の標的タンパク質認識機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
23121529
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
津下 英明 京都産業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40299342)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細菌 / ADPリボシル化 / 毒素 / 複合体構造 / アクチン / ホスト認識 / 反応機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウェルシュ菌由来の二成分毒素Iota毒素(モノADPリボシル化酵素:Iaサブユニット)はアクチンを標的としてモノADPリボシルを起こし、Arg177を修飾する事でアクチンの重合を阻害し、細胞毒性を示すことが知られている。我々はその機能を理解するために毒素とヒト基質タンパクであるアクチンの複合体の結晶構造を非水解性の基質アナログβTADを挟んで、明らかにしている(Tsuge et al. PNAS 2008)。しかしながら、本来の基質であるNAD+が結合した状態またモノADPリボシル化の反応が進んだ反応後の構造はわかっていなかった。 今回我々はアポIa-アクチンの複合体の大きな結晶を作成し、結晶を凍結させるべく使用した、エチレングリコールを含んだ母液がモノADPリボシル化反応を抑える事を見いだした。これを利用して結晶をソーキングし、反応の前と後に相当するNAD+-Ia-actinとIa-ADP-ribosylated (ADPR)-actinの複合体結晶構造を高い分解能で明らかにした(1.7 および2.2 オングストローム)。また、反応に重要なアミノ酸E378とE380の点変異体を作り、このNAD+-Ia(mutant)-actinでの結晶構造も明らかにした(Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Mar 12;110(11):4267-72.)。 その反応は、まずNAD+からSn1反応により、ニコチンアミドが切れ、オキソカルベニウムカチオン中間体ができ、さらに第2の中間体を経て、アクチンのアルギニン177に近づき、ADPリボシル化の修飾反応が起きると考えられた。第一中間体では構造的緊張(strain)した状態であり、此れが緩和(alleviation)する事により反応が進むstrain-alleviation modelを提唱した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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