2013 Fiscal Year Annual Research Report
時計タンパク質CRYの安定化と分解という拮抗作用を導く2種類のE3リガーゼ
Publicly Offered Research
Project Area | New aspect of the ubiquitin system : its enormous roles in protein regulation |
Project/Area Number |
25112504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80165258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 生物時計 / CRY / タンパク質分解 / ユビキチン |
Research Abstract |
F-box型E3リガーゼFBXL21は時計タンパク質CRYをポリユビキチン化して安定化する。本年度は、FBXL21によるユビキチン化のユニークな分子特性を理解するための第一歩として、in vitroユビキチン化反応の構築を目指した。SCF複合体の構成因子であるSKP1・CUL1・RBX1に加えてFBXL3あるいはFBXL21とCRY1やCRY2を昆虫細胞発現系を用いて合成し精製した。現状ではSCF複合体の可溶化効率が低く、引き続き条件検討が必要であるが、FBXL3やFBXL21と共に働くE2酵素の同定を目指すと共に、ユビキチン化反応条件を探っている。 一方、CRY1およびCRY2の網羅的相互作用解析によって同定された脱ユビキチン化酵素USP7を遺伝子クローニングし、CRY2と共発現させた細胞内においてCRY2とUSP7が結合していることを確認した。さらにin vitroユビキチン化したCRY2をUSP7が脱ユビキチン化することを示した。また、分解アッセイにおいてUSP7の共発現によりCRY1やCRY2の発現量が増え、CRYタンパク質が安定化されることを見出した。USP7の生理的役割を探るため、培養条件下での細胞リズムに対するUSP7の効果を解析した。Bmal1-lucで細胞リズムを可視化する系を用いて、USPの過剰発現が細胞リズムの概日周期を増大し、Usp7のノックダウンにより細胞時計の周期が短縮することを明らかにした。USP7はFBXL3によるCRYの分解と拮抗して安定化すると結論した。一方、CRY1およびCRY2の相互作用分子として同定したFBXO30についても解析を進めたが、FBXO30はCRY1やCRY2の安定性の制御には寄与していないと結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは、F-box型E3リガーゼFBXL21が時計タンパク質CRYを安定化するという予想外の現象に対して、その分子的なメカニズムの解明を目的としてスタートした。本年度にはまず、CRYのin vitroユビキチン化反応系の構築に向けてその準備が整った。また、CRYタンパク質とのインタラクトーム解析により脱ユビキチン化酵素USP7を同定し、CRYのユビキチン化様式の相互転換スイッチとしてUSP7が機能する可能性を示した。このように当初の計画の通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
FBXL21がCRYを安定化するメカニズムの解明を目指して研究を展開する。FBXL21によるCRYユビキチン化の結合様式を決定するとともに、USP7を切り口にCRY安定性の制御機構を解き明かす。さらにこれと並行して、BMAL1やDBPなどの時計タンパク質の安定性制御メカニズムにも分子レベルで切り込みたい。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] The circadian clock regulates the NRF2/ARE-mediated antioxidant defence pathway in the mouse lung.2014
Author(s)
Vanja Pekovic-Vaughan, Julie Gibbs, Hikari Yoshitane, Nan Yang, Dharshika Pathiranage, Baoqiang Guo, Aya Sagami, Keiko Taguchi, David Bechtold, Andrew Loudon, Masayuki Yamamoto, Jefferson Chan, Gijsbertus T.J. van der Horst, Yoshitaka Fukada and Qing-Jun Meng
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Journal Title
Genes Dev.
Volume: 28
Pages: 548-560
DOI
Peer Reviewed
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