2014 Fiscal Year Annual Research Report
アゾ基の構造ダイナミクスを利用した蛍光プローブの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
26104509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 健二郎 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (70451854)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分析科学 / 薬学 / 有機化学 / イメージング / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命現象を理解する上で、生きている状態のままの生体でリアルタイムかつ高い時空間分解能で生命現象を可視化することは、それらの理解の上で極めて重要である。このような観察を実現する技術として、簡便性や高い感度、高い時空間分解能から蛍光イメージングが生命科学研究において汎用されている。本研究においては、アゾ基の特性を利用して、光照射によって生じる「分子の励起状態」を制御し、蛍光プローブを創製することを目指している。以下に平成26年度にて得られた研究成果を記す。 (1)アゾ基の導入による蛍光色素の無蛍光化のメカニズムの解明 ローダミン系蛍光色素のキサンテン環にアゾ基を導入したアゾローダミン(MARおよびMASR)をデザイン・合成した。合成した化合物はいずれも蛍光量子収率が0.1%以下と無蛍光性であり、過渡吸収測定によるMARの励起寿命はクロロホルム中で4.1 psecと算出されたことから、分子デザイン通りにアゾ基に起因する高速な失活過程により無蛍光性になっていると考えられた。 (2)近赤外蛍光を発する低酸素環境を検出する蛍光プローブの開発 近赤外領域(650から900 nm)は透過性の高さ及び自家蛍光の低さから動物個体でのイメージングに適した波長領域である。そこで、近赤外蛍光色素にアゾ基を組み込んだ新たな近赤外蛍光プローブを開発した。開発したプローブは水中において無蛍光性であり、本分子設計は近赤外蛍光色素に対しても有効であった。また、生細胞においてマイルドな低酸素環境に対しても優位な蛍光上昇を示した。さらに、プローブをマウスに静脈内投与し、門脈及び腎静脈・腎動脈の結紮により肝臓と腎臓の虚血モデルを作製したところ、結紮による蛍光の上昇を観察することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成26年度は「アゾ基の導入による蛍光色素の無蛍光化のメカニズムの解明」および「近赤外蛍光を発する低酸素環境を検出する蛍光プローブの開発」の2つの研究項目の着手を予定していたが、本新学術領域内での共同研究を行うなど、何れの研究項目も当初の計画以上に進展しており、研究成果が得られてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は当初の計画以上に進展したので、引き続き本研究を進行するとともに、計画通りに平成27年度からは機能性光増感剤の開発にも着手する予定である。
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[Journal Article] Gliotoxin Suppresses NF-κB Activation by Selectively Inhibiting Linear Ubiquitin Chain Assembly Complex (LUBAC)2015
Author(s)
Hiroki Sakamoto, Shinichiro Egashira, Nae Saito, Takayoshi Kirisako, Simon Miller, Yoshiteru Sasaki, Tadahiko Matsumoto, Manabu Shimonishi, Toru Komatsu, Takuya Terai, Tasuku Ueno, Kenjiro Hanaoka, Hirotatsu Kojima, Takayoshi Okabe, Soichi Wakatsuki, Kazuhiro Iwai, Tetsuo Nagano
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Journal Title
ACS Chemical Biology
Volume: 10
Pages: 675-681
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Design Strategy for Small Molecule-based Targeted MRI Contrast Agents: Application for Detection of Atherosclerotic Plaques2014
Author(s)
Shimpei Iwaki, Kazuya Hokamura, Mikako Ogawa, Yasuo Takehara, Yasuaki Muramatsu, Takehiro Yamane, Kazuhisa Hirabayashi, Yuji Morimoto, Kohsuke Hagisawa, Kazuhide Nakahara, Tomoko Mineno, Takuya Terai, Toru Komatsu, Tasuku Ueno, Keita Tamura, Yusuke Adachi, Yasunobu Hirata, Makoto Arita, Kenjiro Hanaoka, et al.
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Journal Title
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 12
Pages: 8611-8618
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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