2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞膜ラフト可視化のためのガングリオシドプローブの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering sugar chain-based signals regulating integrative neuronal functions |
Project/Area Number |
26110704
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安藤 弘宗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20372518)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ガングリオシド / 神経細胞 / 脂質ラフト / 糖鎖 / 光応答性プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、光応答性ガングリオシドプローブの合成として、糖鎖修飾型プローブ(GD3,GD1b, GT1b)脂質修飾型プローブ(GM3,GM1)を標的化合物として合成研究を進めた。シアル酸二量体を含むガングリオシドであるGD3,GD1b,GT1bのうち、分岐構造を有するGD1b、GT1bの合成については、GM2,GM1蛍光プローブの合成法に準拠し、当研究室で確立したGD3コアユニットを共通ユニットとして合成を進め、糖鎖末端にアミノ基を有するアミノGD1b、GT1bの合成に成功した。今後は、合成の最終段階である光応答性官能基を有するユニットの導入を経て、標的構造を得る予定である。一方、脂質修飾型プローブの合成では、脂質部分であるセラミドを構成する脂肪酸の末端に光応答性官能基を結合させたユニットの合成を検討し、目的の修飾脂肪酸を得ることが出来た。GM3プローブの合成では、すでに確立したGM3プローブの合成法を基に脂質部分にアミノ基をもつGM3へと導き、修飾脂肪酸を導入することで目的の脂質修飾型光応答性GM3プローブの合成を達成した。現在は、GM1の合成も進めており、間もなく完了の予定である。合成したGM3プローブの生物物理的評価において、天然ガグリオシドと同様のラフト親和性を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づき、本年度は糖鎖修飾型光応答性プローブ3種類と脂質修飾型光応答性プローブの合成2種類の合成を目標として研究に着手した。その結果、糖鎖修飾型においては最終段階の反応を残すのみとなり、合成上の課題をすべて解決することが出来た。また、脂質修飾型では一つのプローブの合成を完了し、さらに生物物理学的評価も終えている。以上のことから、概ね計画通りに進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた成果を基として、糖鎖および脂質修飾型のプローブの合成を推進する。合成完了したプローブは順次生物物理学的評価を行い、プローブのラフト親和性を確認していく。良好なラフト親和性を確認できたものは、神経細胞モデルに対する神経突起伸展活性試験に供し、生理活性の保持を確認する。活性が確認された場合は、細胞膜でのプローブの挙動を一分子イメージングにより解析し、神経細胞成長因子受容体との相互作用を調べる。さらに、細胞にプローブを添加して、光架橋反応によりガングリオシドと相互作用する膜分子の特定を試みる。
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