2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能異常と神経疾患
Publicly Offered Research
Project Area | Brain Environment |
Project/Area Number |
26111724
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
柳 茂 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60252003)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ユビキチンリガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOL遺伝子を特異的に抑制もしくは欠損させるとミトコンドリアから活性酸素種(ROS)の産生の増大が観察される。MITOLの基質の一つであるミトコンドリア分裂因子DRP1が蓄積することによるミトコンドリアのダメージがROSの産生の原因であると考えていたが、DRP1の蓄積を阻害してもミトコンドリアのROSの増大に変化がなかったので、MITOL欠損によるミトコンドリアのROS は増大の本質的な原因はDRP1ではないかことが示されていた。そこで、効率良くエネルギーを産生するシステムであるミトコンドリアのスーパーコンプレックス形成に着目した。MITOL欠損によってカルジオリピンの減少がミトコンドリアのスーパーコンプレックスの形成を抑制したのではないかと考え、検討した結果、予想通り、BN-PAGE解析によりMITOL欠損細胞においてミトコンドリアのスーパーコンプレックス構造は有意に抑制されていることが確認された。したがって、MITOL欠損によるミトコンドリアのROSの増大はカルジオリピンの減少によるスーパーコンプレックスの形成不全が本質的な原因であると結論付けられた。実際にMITOL欠損マウス脳において顕著な細胞死の増加が観察されている。ミトコンドリアのROSの増大によって酸化ストレスが亢進した結果、細胞死が誘導されたと考えられる。MITOLは加齢とともに発現量が低下することを見出しているので、このマウスは老人性痴呆症もしくはアルツハイマー病の良いモデルマウスになるかもしれない。現在、私たちはMITOL欠損マウスにアルツハイマー病モデルマウスを交配させて、アルツハイマー病がより増悪するマウスを樹立して解析を行っている。このマウスの解析を通して、ミトコンドリアを標的にした新たなアルツハイマー病の治療法の開発が期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Sox11 balances dendritic morphogenesis with neuronal migration in the developing cerebral cortex.2016
Author(s)
Hoshibam, Y., Toda, T., Ebisu, H., Wakimoto, M., Yanagi, E., and Kawasaki, H.
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Journal Title
J. Neurosci.
Volume: in press
Peer Reviewed
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