Budget Amount *help |
¥212,680,000 (Direct Cost: ¥163,600,000、Indirect Cost: ¥49,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥38,740,000 (Direct Cost: ¥29,800,000、Indirect Cost: ¥8,940,000)
Fiscal Year 2020: ¥38,740,000 (Direct Cost: ¥29,800,000、Indirect Cost: ¥8,940,000)
Fiscal Year 2019: ¥38,740,000 (Direct Cost: ¥29,800,000、Indirect Cost: ¥8,940,000)
Fiscal Year 2018: ¥38,740,000 (Direct Cost: ¥29,800,000、Indirect Cost: ¥8,940,000)
Fiscal Year 2017: ¥57,720,000 (Direct Cost: ¥44,400,000、Indirect Cost: ¥13,320,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、DNAメチル化やDNAの脱メチル化と性決定の関係を追及していくことが目標であった。これまでに、性決定の時期の生殖腺体細胞ではDNAの脱メチル化の中間体である5-ハイドロキシメチル化シトシンが有意に高いことを明らかにしていた。5-ハイドロキシメチル化シトシンはTet1、Tet2、Tet3分子の酵素活性によって生産される。CRISPR/Cas9によって、これら3つのTetファミリー分子の欠損体の作製を試み、XY個体のメス化が誘導されるのかについて検討を行ったところ、以下の研究成果を得た。 1.Tet1を欠損したXYマウスは正常にオス化した。Jmjd1a, Tet1二重欠損マウスにおいて、Tet1欠損がJmjd1a欠損によるXY性転換の表現型を亢進することはなかった。 2.Tet2を欠損したXYマウスは正常にオス化した。しかし一方で、Jmjd1a, Tet2二重欠損マウスの表現型を観察した結果、Tet2欠損がJmjd1a欠損によるXY性転換の表現型を亢進することが明らかになった。 3.Tet3を欠損したXYマウスは正常にオス化した。Jmjd1a, Tet3二重欠損マウスにおいて、Tet1欠損がJmjd1a欠損によるXY性転換の表現型を亢進することはなかった。 以上の結果から、Tet3はXYマウスのオス化に正に働く分子であることが分かった。しかし単独欠損ではXY個体のメス化は観察されなかったことから、H3K9の脱メチル化に比べると、オス化への寄与は低いことが明らかになった。Tet2の性分化過程における作用点を調べたところ、Sryの発現が有意に低下していたことから、Tet2はSryの発現活性化に寄与していることが明らかになった。DNAのハイドロキシメチル化シトシンの量を調べたところ、性決定期のXY生殖腺体細胞のSry遺伝子座におけるハイドロキシメチル化シトシンが、Tet2欠損によってほぼ完全に消失していた。この研究成果をScientific Reports 2019に報告した。
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