中世後期ヨークシャーにおける都市間ネットワークの研究
Project/Area Number |
01J00408
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田村 理恵 熊本大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | イングランド / 中世都市 / ヨークシャー |
Research Abstract |
本年度は特別研究員の最後の年となるため、これまでの研究をまとめ論文を執筆することに重点をおいた。その準備段階として、7月に渡英し、主にヨークシャーの都市に中世に与えられた特権に関する史料と1381年に起こった暴動に関する史料を収集した。 帰国後は、これまでに集めた史料や文献を使い論文執筆に専念した。『西洋史学論集』第41号に「14世術後半ヨークにおける権力闘争」を掲載した。これは、ヨークシャーの中心都市ヨークで14世紀後半に連続して起こった都市暴動を題材に、都市内での商人間の権力闘争とそれに巻き込まれる形で暴動に参加した手工業者、そしてそれを押さえようとした王権との関係を考察した論文である。また、藤井美男、田北廣道編著『ヨーロッパ中世世界の動態像-史料と理論の対話-』に「キングストン・アポン・ハルの建設」を掲載した。これは、ヨークシャー、イースト・ライディングの港湾都市ハルの「建設」の過程を追ったものである。ハルは修道院都市として「建設」され、特権を与えられていくが、その過程で周辺領主の利害がどのように整理されていくのかを見た。最終的にハルは国王都市となるが、その際、国王も周辺領主との利害の衝突を経験する。国王と都市が共同し、周辺領主の利害を除去しようとする姿勢を見ることができた。さらに、未刊行ではあるが、『熊本歴史科学研究会会報』第55号に「1381年ヨークシャーの都市暴動」を掲載することになっている。この論文では、1381年にヨークシャーの主要な3都市で起った暴動の特質を明らかにし、1381年にイングランド南東部で起こった農民反乱との関連を考察した。 王権は、各都市に異なった役割を期待しており、それを果たすことができるような特権を各々の都市に付与した。各々のもつ機能によって諸都市は有機的に結びつき、ヨークシャーでのネットワークを形成していったのである。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)