長基線ニュートリノ振動実験におけるニュートリノ振動現象の探索及び検証
Project/Area Number |
01J03726
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 一成 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ニュートリノ質量 / レプトン世代間混合 / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
昨年度、我々はK2K長基線ニュートリノ振動実験における初めてのニュートリノ振動に関する解析を行い、スーパーカミオカンデの大気ニュートリノ観測に見られたニュートリノ振動現象とコンシステントな結果を得た。しかしながら、さらにニュートリノ振動に対する感度を向上させるために、より多くのデータを収集するとともに、いくつかの系統誤差を小さくすることが不可欠である。今年度においては引き続きデータ収集を行い、目標のデータ量の約3/4のデータを収集するに至った。また、系統誤差を小さくするため、以下にあげるような研究を進めた。 1.CERN-HARP実験によるハドロン生成の研究 現在振動解析において最も大きな系統誤差を与えているものの一つに、前置検出器で測定したニュートリノスペクトルとフラックスをスーパーカミオカンデに外挿するために用いるFar/Nearニュートリノスペクトル比がある。この量はニュートリノの親粒子であるπ粒子が陽子標的で生成されるときの運動量分布を詳細に測定することで、精度よく予言することができる。昨年度夏にCERN-HARP実験に参加し、K2K実験と同じ条件下でのπ粒子生成についてのデータ収集を行った。今年度は主にそのデータ解析に従事し、HARP実験の検出器の検出効率、アクセプタンス等の理解をした。現在では薄い標的を用いた場合のπ粒子の生成断面積の結果を得るための最終段階の解析を行っており、3月中には結果が得られる見込みである。この結果とK2K実験のニュートリノ振動解析結果を含め、投稿論文にまとめる予定である。 2.新型ニュートリノ検出器SciBarの導入 K2K実験において、ニュートリノ振動に対する感度を向上させるためのもう一つのアプローチとして、「低エネルギー領域でのニュートリノスペクトルの精密測定」と「ニュートリノ反応の詳細な理解」があげられる。そのため私が4年前から研究開発を進めてきた検出器SciBarを今年度夏にK2K実験に導入した。その後、10月よりデータ収集を開始し、これまでに収集したデータを用い、検出器のパフォーマンスはほぼ理解するに至っている。また物理解析も進めており、その結果が出つつある段階である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)