真核細胞の翻訳制御に介在する新規GTP結合蛋白質GSPT/eRF3の機能解析
Project/Area Number |
01J06350
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
打田 直行 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 翻訳制御 / mRNA分解 / 核酸分解酵素 / リボソーム |
Research Abstract |
私は以前に,翻訳終結因子GSPT/eRF3がpoly(A)鎖結合因子PABPと相互作用することを見出したが,PABPは、翻訳開始因子eIF4Gを介して翻訳効率を制御し,またmRNAの分解過程に関与すると考えられている蛋白質であるので,GSPTが翻訳効率あるいはmRNAの分解過程へ関与する可能性が考えられる。それを受けて私は,GSPTとPABPとの相互作用がリボソームのリサイクリングで機能することを明らかにした。また、PABPと相互作用すると想定される核酸分解酵素の同定を行い,ヒトにおいてヘテロ二量体(Pan2及びPan3)からなる核酸分解酵素(PAN複合体)の単離に成功し,以下の知見を得た。 1)PAN複合体のなかでPan3がPABPと相互作用し,それに応じてPABPはPan3依存的にPan2の持つRNase活性を活性化することを示した。このとき,PANはpoly(A) RNAのみを基質とする特徴をもっていた。 2)細胞内においてPAN複合体は,翻訳の進行しているmRNA上に分布し,実際にmRNAのpoly(A)鎖分解過程で機能していることを見出した。 3)in vitroの結合実験から,PABP上でGSPTとPANが互いに競合することを明らかにした。また,細胞を用いた実験から,PABPと相互作用しているGSPTが翻訳の進行に伴ってPANと置き換わることを示した。すなわち,翻訳終結因子であるGSPTによる翻訳が終結したという情報が,PABPを介してpoly(A)鎖分解酵素であるPANに伝達され,その結果mRNAのpoly(A)鎖の分解が進行するという合理性にかなったモデルが提示できると考えている。 本年度得た知見の一部はJournal of Biological Chemistry誌に報告した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)