イザベッラ・デステと芸術パトロネージ ―理想化された自己イメージの形成過程―
Project/Area Number |
01J07603
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fine art history
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
松下 真記 お茶の水女子大学, 文教育学部, 特別研究員PD
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | イタリア・ルネッサンス / 美術史 / パトロネージ / マンテーニャ / イザベッラ・デステ / イタリア・ルネサンス / コレクション / マントヴァ |
Research Abstract |
本年度は、イザベッラ・デステの理想化されたイメージについての研究と、それに付随するマントヴァ宮廷文化全体(宮廷画家、君主と芸術、君主と宗教、宮廷における人文主義教育、人文主義者達の移動とネットワーク等)についての研究という、二つの方向性を持った。まず前者については「イザベッラ・デステのイメージとトリッシノ『肖像』」で、イザベッラの理想化されたイメージがどのように形成されていったかについての典型例を纏めた。研究史を紹介した上で、イザベッラに献呈された『肖像』を例に挙げ、文学におけるイザベッラ描写と肖像画における表現とを比較しながら検討を行った。さらに末尾には本邦未刊行である『肖像』の翻訳を付加した。この論考では、イザベッラが女性であることから特に「敬虔」「篤信」という美徳が強調されていたことを明らかにした。後者については、今なお探求中であるが、そのうちの一つを「マントヴァの聖遺物『聖なる御血』と<カメラ・デッリ・スポージ>」という形にすることが出来た。イザベッラの嫁いだマントヴァにおいて、君主一族が、聖遺物を都市アイデンティティの中心に据えて国家を纏め上げるにあたり、政治的プロパガンダとして貨幣や宮廷内装飾で聖遺物のイメージを戦略的に意図的に用いていたことを、マンテーニャの<カメラ>を中心にして論じた。また同じ後者の例として、マンテーニャの描く大理石模様についての前年度の研究を続行している。これについては最近人文主義的な解釈をより発展させることに成功したため、その成果を「マンテーニャの描く大理石と岩山」という題目で2004年5月に慶応大学で開催される美術史学会全国大会において発表する予定である。その他、翻訳を通じて研究活動を社会へ還元することに積極的に参与している.またNPO法人ルネサンス音楽普及協会の会報に、芸術庇護活動にまつわる絵画の解説を引き続き連載している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)