グリシンベタイン処理が塩ストレス条件下のイネの収量と生理反応に及ぼす効果
Project/Area Number |
02F00509
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
作物学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Md. Shahidur 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 塩ストレス / 共存イオン / 苦土石灰 / グリシンベタイン / 軽減効果 / 元素含量 / 微細構造 / 活性酸素 / 光酸化 / 葉緑体 |
Research Abstract |
水耕栽培のイネにグリシンベタインを与えると、塩ストレスによる成長抑制と地上部のクロロシスが軽減されるが、この時、根端細胞の液胞化が促進され、地上部へのNaの移行が抑制されることが明らかになった。根端を除去するとグリシンベタインの効果が失われたことから、グリシンベタインは根端細胞における液胞へのNaの蓄積を促進することにより、地上部へのNaの移行を抑制し、塩ストレス障害発現を抑制すると考えられた。移植前のイネ苗にグリシンベタインを処理し、塩を含む土壌に移植して栽培した場合、グリシンベタインの効果は持続しなかった。土壌にグリシンベタインを投与した場合、糸状菌の繁殖が見られ、障害軽減効果は認められなかった。そこでグリシンベタインの代わりに、共存イオンの処理による塩ストレス障害軽減効果を水耕と土耕により検討した。水耕ではCaCl_2が塩ストレスによる成長抑制に有効であったが、土耕ではMgCl_2が最も有効であった。またCaとMgが有効であったことから、苦土石灰の効果を調べたところ、3%苦土石灰の土壌処理によって、塩ストレスによる成長抑制と地上部におけるクロロシスの発生が顕著に抑制された。苦土石灰の効果は最適濃度のMgCl_2やCaCl_2に比べると劣ったが、高濃度でも害作用が現れにくく、コストも低いので塩ストレス障害対策として有望と考えられた。原子吸光分析により、植物体各部位の元素含量を測定したところ、共存イオンにより塩ストレス条件下における地上部のNa含量の増加が抑制され、またK含量の低下は抑制され、障害発現に重要といわれるNa/K比が低く保たれていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)