Project/Area Number |
02J04127
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河原 司 徳島大学, 栄養学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ヘリコバクターピロリ菌 / Nox1 / NOXO1 / Rac1 / toll様受容体 / 胃癌 / エンドトキシン / 大腸 / p41nox / 自然免疫 / toll様受容体4 / 胃粘膜 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
Mox1(Nox1)はgp91^<phox>ホモログ遺伝子として発見され、過剰発現細胞は形質転換能を有することから活性酸素産生と発癌を直接結び付ける遺伝子として注目されてきた。昨年度までにモルモット胃粘膜細胞がMox1を酵素本体したO_2^-産生系をもち、I型ヘリコバクターピロリ菌のエンドトキシン(LPS)がMox1、及び新規p47^<phox>のホモログ遺伝子であるNOXO1(p41^<nox>)mRNAの発現誘導を介してO_2^-産生を約10倍に増加させることを見出した。 これらの知見をもとに、本研究では、1)small Gタンパク質Rac1によるMox1活性化機構を初めて明らかにした。まずピロリ菌由来のLPSによるO_2^-産生にPI(3)キナーゼ活性化が関与していることを見出した。さらにPI(3)キナーゼはsmall Gタンパク質の一つであるRac1の活性化を誘導していた。実際に活性型Rac1の過剰発現によってPI(3)キナーゼ阻害剤によるO_2^-産生抑制から回復されたことから、Rac1がMox1活性化に必須であることが強く示唆された。 次に2)胃癌発症とMox1発現について検討した。ヒト胃癌組織由来のmRNAパネル(BioChain社)を用いて解析を行ったところ、未分化型、分化型、及び印環細胞癌においてMox1,及びNOXO1 mRNAの発現が認められた。一方、正常な胃にはこれらのmRNA発現は全く認められなかった。 さらに3)大腸粘膜細胞におけるMox1活性化因子の同定をおこなった。ヒト大腸細胞株T84細胞はMox1を多く発現していたが、NOXO1を発現しておらずO_2^-産生はほとんど検出できなかった。そこでNOXO1を過剰発現させたT84細胞を用いて、腸管寄生細菌菌体成分の中からMox1活性化因子を検索したところ、サルモネラ菌由来のフラジェリンタンパク質(FliC)を同定した。またこの活性化シグナルはToll様受容体5を介している可能性が示唆された。さらにFliC刺激によって産生されたO_2^-はIL-8の産生を亢進した。これらの一連結果により消化管における自然免疫応答、及び発癌過程において、Mox1ならびにNOXO1発現誘導,さらにRac1活性化が重要な働きをしている可能性が示唆された。
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