Project/Area Number |
02J04215
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
武藤 哲也 埼玉大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 重い電子系 / 充填スクッテルダイト化合物 / 光学伝導度 / 自己無撞着二次摂動理論 / 動的平均場理論 / コヒーレントポテンシャル近似 |
Research Abstract |
本年度は、強相関電子系の一つである重い電子系の中でも、近年急速に研究が盛んになっている充填スクッテルダイト化合物の物性に着目して研究を行った。充填スクッテルダイト化合物は、新奇な超伝導状態の発現などで注目されているが、本研究では、近藤絶縁体との関連で注目されているCe系充填ネクッテルダイト化合物、特に、CeOs_4Sb_<12>やCeRu_4Sb_<12>を念頭に置いて、それらに対するバンド計算から得られているバンド構造を定性的に再現するタイトバインディングモデルを構築し、そのモデルに電子間相互作用を仮定して、その相関効果を調べることを目的とした。相関効果については、動的平均場理論を用いる前段階として、動的平均場理論と同じ局所近似に基づく自己無撞着二次摂動理論を用いて計算を行った。 バンドギャップを持つバンド構造を仮定した上で、光学伝導度におけるギャップ構造の温度変化を中心に調べた。電子間相互作用について自己無撞着二次摂動計算を行ったところ、実験で得られている、昇温に伴うギャップ構造の消失がよく再現される結果を得た。一体近似による結果では、温度変化こそするが、実験で得られているような昇温に伴う迅速なギャップ構造の消失は見られず、また、中赤外ピークと呼ばれる大きなピーク構造も温度変化しないため、実験で見られている温度変化は、一体近似では表せない、多体相互作用による相関効果の影響であることが明らかになった。 これらの結果については、学会発表『光学伝導度における混成ギャップの波数依存性の効果』:武藤哲也、佐宗哲郎(日本物理学会2003年秋季大会,22aPS-102,岡山大学,2003)、及び、『充填スクッテルダイト系の光学伝導度』:武藤哲也、佐宗哲郎(日本物理学会第59回年次大会,27pXA-6,九州大学,2004)にて発表された。
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