感情労働の民族誌的研究-ジェンダー・文化・企業マスキュリニティ-
Project/Area Number |
02J05399
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鴻島 さおり (松田 さおり) 名古屋大学, 文学研究科・日本学術振興会特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 実践コミュニティ / 仕事仲間 / 徒弟制 / 学習 / 正統的周辺参加 / アイデンティティ化 / 企業文化 / ジェンダー / ハビトゥス / マスキュリニティ / 家父長制 / 身体 / (空間的)実践 / 公的 / 私的世界 |
Research Abstract |
本研究は、ホステスを事例として、サービス業に充実する女性の<仕事仲間>とその変容について、実践コミュニティの概念を参照しながら考察したものである。 サービス業に従事する者の<仕事仲間>とは、職場内のインフォーマルな集団を指す。この<仕事仲間>は、さらに<タテのつながり>、<ヨコのつながり>と職場内でよばれる集団へと分化している。これらは一様のつながりではなく、複雑な形で相互に作用している。この<仲間>には、職場において仕事を連携して行う、仕事を分業して行うといった面だけでなく、<仲間>で食事をする、飲みに行く、遊びに行くなど仕事以外の「つきあい」の面もある。ホステスの<仕事仲間>は、実践コミュニティとしての側面を持つ。実践コミュニティとは、ある目的をもって仕事を成しとげる、そして何らかの実践のやり方を身に着けようとする集団のことである。実践や仕事の技能の習得は、実践コミュニティへの参加を通して実現される。このような集団においては、新人はそのコミュニティに「参加」することによって、熟練者を見習いながら、次第に知識や技術を習得していく。実践コミュニティの典型は、多くの職人仕事や専門職の技能や知識の伝達が行われる「徒弟制」である。ホステスの仲間集団は、いくつかの点で「徒弟制」的であり、このような実践コミュニティに類似している。 本研究では、ホステスの<仕事仲間>への参加の過程を詳細に追いながら、そこでの<仕事仲間>の形成と変容を動態的に記述することにより、特にホステス個人とその<仕事仲間>集団の関係を暫時的かつ重層性をもつということを明らかにした。また、<仕事仲間>内部でのある種の権力関係をともなった人間関係のあり方や、経済変動や社会変化などがこの<仕事仲間>に及ぼす影響などについても注目し、より行為者の視点と地平に接近した形での実践コミュニティ概念の展開の可能性について指摘した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)