産業構造・雇用戦略の変容と若年労働市場の変貌に関する教育社会学的研究
Project/Area Number |
02J07037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
筒井 美紀 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 新規高卒 / 技能工 / 進路保障 / 実績関係 / 技能伝承 / 学力 / 人格特性 / 年齢バランス |
Research Abstract |
今年度は、2月に進路多様高校の第2回インタビュー調査を済ませ、3月以降は博士論文の執筆に専念し、平成15年10月31日に提出した。その後は11月2日に日本労働社会学会のシンポジウムで、パネリストとして博士論文の一部を発表する機会を得た。なお博士号は、平成16年3月付で東京大学大学院教育学研究科から授与された。 以下は、博士論文「高卒労働市場の変貌と高校就職指導・斡旋における構造と認識の不一致」のアブストラクトである。 「積極的進路保障」-高卒者育成方針を持ち、職域拡大の機会のある企業に生徒を就職させよう-という高校の就職指導・斡旋は実現されているのか否か。これが本稿の解明課題である。教育社会学の高卒就職研究は、企業内部にメスを入れてこなかった。他方で企業・労働の研究は、大企業を主な対象とし、さらには「労働力供給の変化が分業体制と人員配置を変える」という視点を欠いてきた。それゆえ、わずか18歳で職業世界に足を踏み入れる高卒就職者を、高校が助力できているのかという重要な社会的課題に、真正面から取り組んできたとは言い難いのである。さて、「積極的進路保障」の実現が困難なのは、以下3つの原因による:(1)入職口だけではなく入職後の閉鎖化が、新卒労働力供給の構成と人口バランスの変化(大卒技能工化!)によって、むしろ中小企業で生じている、(2)職域が閉鎖化していない場合でも、資格取得の制度化やISOの拡大といった知識社会化によるキャリアルートの急勾配化に、高卒就職者が対応できなくなってきている、(3)教師による労働市場構造や個別企業の認識自体が、過去の実績と記憶に規定されており、職域が閉鎖化してしまった企業に生徒を送り出している。すなわち、構造そのものと、構造の認識の2レベルで原因がある。労働需要構造それ自体を変えることは、高校にはできないけれども、構造と認識の不一致については可能である。それを埋めようとする試みは、相互変容的な、企業-高校間の実績関係の形成に他ならず、その萌芽的現場実践をも本論文はくみ上げた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)